用途に合わせた3Dプリンティングを!3Dプリンティングの種類について

用途に合わせた3Dプリンティングを!3Dプリンティングの種類について

3Dプリンターは業務用の装置として1990年半ばごろから徐々に導入・普及が進み、今では家庭用で使用できる安価で高性能なものも増え、身近になってきています。当初課題だった精度や強度の問題も、3Dプリンターの技術改革や材料メーカーの研究開発で解決し、活用用途が広がっています。今回は3Dプリンティングについて、数あるプリンティング方法の種類の一部をご紹介いたします。

 
 

3Dプリンティングとは

3Dプリンティングとは、3Dプリンターを使用して立体物を形成する事です。その3Dプリンターは利用者によって「個人向けのパーソナル3Dプリンター」と「企業向けの業務用3Dプリンター」に分かれます。個人用は安く購入できますが性能は業務用に劣り、反対に業務用は価格が高くなりますが再現性や強度の高い造形物を作ることが可能です。3Dプリンティングの手法には、切削加工もありますが、合成樹脂などの材料を層のように積み上げていく立体物を造形する手法(積層方式)が主流となっています。

3D printing

 

3Dプリンティング(積層方式)の種類

①インクジェット方式

液状の紫外線硬化樹脂を3Dプリンターヘッドから噴射し、紫外線で固めながら一層一層、硬化させていく方式です。紙の印刷に用いられるインクジェットプリンターの原理を応用したものなので、印刷のような高解像度なカラーで造形できることが特徴です。しかし、アクリル系樹脂を使用することが多く、耐久性が低いので、造形後は取り扱いに注意が必要です。フィギュアなど色合いにこだわる方におすすめです。

②粉末固着(接着)方式

接着剤と粉末(石膏など)を交互に吹き付けて積層していきます。造形スピードが速く、フルカラーで建築モデルやフィギュアを作ることが可能です。しかし、石膏を接着材で固めて作るため、造形物は壊れやすくもろいのがデメリットです。粉末材料に着色することで、色を付けることができるので、発色が求められる造形物作成(建築モデルやフィギュアなど)に向いています。

③粉末焼結積層造形方式

粉末状の材料にレーザーを照射して焼結させていく方式です。金属系素材(銅やニッケル、チタン)や樹脂系素材(ナイロン)など、さまざまな種類の材料が使えるメリットがあります。ただし他の方式とは違い、造形後には高圧のエアを使って残った粉末を除去する必要があります。また、表面はざらざらした仕上がりになるため、滑らかな質感を求められるものには向かないかもしれません。金属素材が使用可能な造形方法なので、耐久性が求められる造形物(最終製品や金型)の製造におすすめです。

④光造形方式(レーザー方式)

3Dプリンティングの中で最も古くからある方式で、高精細かつ滑らかな造形物を作成することが可能です。光造形は紫外線で硬化する液体樹脂を使用し、レーザーを照射しながら造形していきます。造形精度が非常に高く、微細な形状を表現できるので、複雑な形の造形を得意としています。しかし、時間がかかり、高額であるので量産にはあまり向かないかもしれません。日本では最も普及しています。

⑤熱溶解積層方式

主に低価格の家庭用3Dプリンターで使われている方式です。固形材料を熱で溶かして3Dプリンターヘッドから押し出しながら積み重ねる方法です。他の方式とは異なり、光硬化樹脂や粉末材料を使用しないため、安全に使用できます。安価な樹脂を使用できるのでコストパフォーマンスが良く、コンパクトなサイズもモデルが多いため、狭いスペースでも設置できるメリットから家庭用で主流となっています。しかし、精度や仕上がりが他の種類と比べて粗いという欠点があります。

 

まとめ

家庭用でフィギュアを自作するなど、その用途は幅を広げています。しかし、どのような造形方法で作るかによっても大きな違いが出てきます。また装置だけでなく3Dプリンターでは、材料の吐出口となるヘッドと呼ばれる先端部にディスペンサーノズルを使用します。そのディスペンサーノズルの穴径や精度によっても精巧なプリントができるか変わってきます。用途に最も適した3Dプリンターを選ぶことはもちろん、3Dプリンターヘッドノズルを選ぶことも大切ですね。

テクダイヤ株式会社ではディスペンサーノズルの専門家として、これまでさまざまな塗布材や塗布条件に対するカスタマイズ製作を行ってきました。小径穴あけを得意とするテクダイヤのディスペンサーノズルは最小内径30μmまでラインナップ。バイオマテリアルプリンティングなど、精度と品質を重視する再生医療業界でも採用されています。3Dプリンティングにおいて微細形状のプリンティングにお悩みの方は、ぜひテクダイヤへお声がけください。ディスペンサーノズルの専門家として、材料や用途に合わせたテクダイヤならではのソリューションを提供いたします。

テクダイヤ ディスペンサーノズル製品ページ


創業40年の製造業。ダイヤモンド事業からスタートしたテクダイヤは、会社本来の「人好き」が作用し、人との出会いを繰り返しながら業態変化を続ける。 現在はセラミック応用技術・精密機械加工技術・ダイヤモンド加工技術をコアとしながら先端技術のものづくりを支える。スマホやデータセンターなどの通信市場、更にはNASAやバイオ領域にも進出中。