生産技術は中国工場に根付いているか?!
日本の工場でプレスや金型などの生産技術を叩き込まれた職人さんが会社の中国進出に伴い、中国工場で指導してきました。
こうした職人さんたちは団塊の世代の人なのでとうに会社は定年になっています。
定年後何年間かは嘱託社員として仕事を続けていました。
その嘱託期間も終わった後は、中国の工場が直接その人たちを雇う形で現場の面倒を見てもらっていました。
いわゆる現地採用です。
しかし、永遠に仕事ができる訳ではないので、遠くないうちに職人さんたちが引退することが現実のものとなってきたのです。
そうしたときに、生産技術が中国工場に根付いているかが心配の種です。
現実には根付いていないというのが本当のところでしょう。
それは、職人さんたちを定年後も、嘱託期間終了後も雇っているということがすべてを物語っています。
根付いていれば、そうした人たちに来てもらう必要はないのですから。
このメーカーは中国では20年以上も生産活動をしていますが、それでも職人という域に達する現地スタッフの育成は思うようにいかなかった訳です。
一方、日本人の後継者も日本に生産現場がないので、やはり育っていません。
ここに中国で生産すること、そして中国だけで生産することの難しさがあります。