生産効率を上げるためのスパッタ時間短縮実験のお話

生産効率を上げるためのスパッタ時間短縮実験のお話

こんにちは☀︎yonaです!

私が自分で考えた、初めての実験のお話をさせて頂きます☆

実験のタイトルは 「♥文系女子 初めての実験 スパッタ工程能力を上げろ♥」

 

テクダイヤのHCT(hybridceramictechnology)製品と呼ばれているものは

下地膜としてスパッタ膜で Ti-Pt-Au の3層を成膜しています。

この3層の膜をスパッタするのに、約45分かかります。

 

この中でスパッタレートが一番遅いのは、Ti(チタン)膜。

Tiを60nmをスパッタするのに、約15分!!(゜o゜)

ここで私は考えた。

 

「この15分を半分の7.5分にできないだろうか」

 

ただ、思い立っただけでは、実験はできません。

7.5分にするためには、15分でスパッタした時と同様の密着性やボンディング強度、耐熱試験の確認が必要です。

まず、実験を行う前に、15分から7.5分に短縮することで得られるメリットとデメリットを考えました。

 

<メリット>

◎1日当たりの装置稼働回数の増加 8.1回 → 9.4回

◎Arガスのコスト削減 スパッタ1枚当たり 0.17円 → 0.08円

 

<デメリット>

◎成膜速度UPにより、Tiのコストが 2.98円 → 3.17円

 

実験工程は下記の3点

 

(1) 成膜速度の確認
パワーと時間を変えたサンプルを作製してレートを算出する。
算出したレートから、Ti(60nm)のスパッタ時間・条件を決定する。

 

(2) 密着性評価サンプルの作製
(1)で決定した条件を使用したサンプルを作製する。

 

(3) 密着性評価
ダイシングで膜剥がれがないか、密着性がどの程度出ているか、

 

製作したサンプルを耐熱試験に入れ、膨れが出ないか、ボンディングの強度は出るか確認する。

(1)の実験で出た結果がこちら!

横軸がスパッタ時間で、縦軸が厚み。

この結果をもとに、時間を算出し、サンプルを作製した。

製作したサンプルは、密着性試験に合格!結果は良好◎!!

 

見事!15分かかっていたスパッタ時間を7.5分にすることが可能となった!

結果は良好だったけど……この実験の結果が導入されたかは、また別のお話(笑)

 

yona.


創業40年の製造業。ダイヤモンド事業からスタートしたテクダイヤは、会社本来の「人好き」が作用し、人との出会いを繰り返しながら業態変化を続ける。 現在はセラミック応用技術・精密機械加工技術・ダイヤモンド加工技術をコアとしながら先端技術のものづくりを支える。スマホやデータセンターなどの通信市場、更にはNASAやバイオ領域にも進出中。