混入防止の基本は作業場所の隔離!?

混入防止の基本は作業場所の隔離!?

ある部品で異品混入不具合が発生した。正しい品番の部品と混入となった部品は非常によく似たもので注意して見ないと同じ部品と見誤ることは十分に起こりえるものであった。

混入はバラ品で起きたのではなく、梱包袋単位で起きた。つまり段ボール箱に10袋入れることになっているが、そのうち3袋の類似品が入っていたということであった。

袋単位での混入なので、途中の加工工程ではなく梱包工程で発生しただろうことは容易に想像できた。

 

案の定、メーカーからの原因対策報告書には、梱包工程でこの2つの品番の梱包を同時に行っていたと書いてあった。また、原因としてこの包装作業時に前ロットの生産で残っていた端数品を出荷することになっていたが、作業者が端数品の再包装をする際に間違いが発生したとあった。

今日のポイント

今回の不具合は作業者のミス、確認不足によるところが大きな要因であるが、そのミスを発生させないようにすることを考えることが大事だ。

その一つは当たり前のことであるが、類似品は同じ場所で同時に作業をすることがないようにする。みなさん頭の中ではわかっている。そのように指示もしているし、ルールも作っている。

ところが現場に気の緩みが出たり、忙しかったりすると同時作業をしないということの徹底に漏れが出る。今回のメーカーもルールはあったのだが、守られていなかった。回答書には再度徹底しますと記してあった。

 

問題はどうやって徹底していくかである。不良は通常に生産をしているときにはそんなに発生するものではない。ちょっとしたことでもイレギュラーなことがあったときに発生する確率が急激に高まるものだ。

だから現場の管理者(班長さんや組長さん)は、そのちょっとしたことを見過ごさない観察力と注意力が必要だ。

補足

梱包の他に混入不良が発生しやすいのは、全数検査をオンライン上ではなくオフラインでやっている場合ですね。その検査場所で混ざる危険性は生産工程に比べるとはるかに高いですね。

今回の不良は袋単位であったので処理は比較的容易であった。バラ単品で発生すると結構面倒なことになりますから。

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/