流出防止-取引先の検査を機能させる!!
中国の取引先指導をして行きついたのは、不良を外に出さない仕組みを作らせることでした。
そのための1つの柱は、工場管理の基本を徹底させることです。
もう1つの柱は、検査を機能させることです。
不良品が納入されてくると言うことは、取引先で行っている検査が機能せず、不良品がすり抜けていると言うことです。
検査がザルになっているのですね。
不良品を見つける検査としては、工程検査と出荷検査があります。
出荷検査は最後の砦ですし、工程検査で不良を見つけられればすぐにフィードバックができますので、どちらも大事な役割を持っています。
ただわたしの感覚としては、工程で作ってしまった不良は工程で見つけることが重要だと思っています。
次の工程に不良品を渡さないこと、つまり次工程はお客様の考えで実践することです。
検査を機能させるときにチェックするのは、次の3つです。
- 検査の方法(やり方)に問題はないか
- 検査(測定機器や検査員)の精度に問題はないか
- 検査基準がこちらの要求するものになっているか
検査の方法については、その方法で本当に対象とする不良を検出できるのか、方法の妥当性を確認します。
対象となる不良品で検出可否をチェックします。
この不良品での検出確認は、以下のポイントでも実施します。
検査機器の精度については、こちらが求めるレベルまで検出できるようになっているかを確認します。
検査員が検査する場合は、そのレベルの検査を出来る能力があるか、訓練されているかをチェックします。
検査基準については、こちらの要求がちゃんと伝わって、それが反映された基準になっているかを確認します。
ここでよく起きるのがお互いの思い違いによるズレです。
それぞれの会社が持っている常識の違いを知らずに、相手の常識も自分たちと同じと勝手に思い込んでいる場合です。
また、外観の基準はズレることが多いのでしっかり確認したいものです。
日本では、当たり前と思っていることはわざわざ基準として明文化しないことも多々あります。
日本の当たり前と中国の当たり前が違いますので、日本で当たり前と思って明文化していなかったようなことも、中国で検査する場合には明文化しておくことが必要です。
そうしないと日本では当たり前のようにはじかれる不良品が、中国では良品として流れていくことになります。
以前セミナーの参加者の方から、「そこまでしないとダメですか?」と聞かれ、「やらないとダメです」と答えました。