活かされない工程不良データ!!
活かされない工程不良データ!!
前回、前々回に続いてリード線加工メーカーさんが、さらによい工場になるためのポイントを紹介する。
そこでは要所の工程で不良集計を行い、不良率、発生した不良の内容のデータを日々取っている。
日々記録し、その記録をファイルしているが、そこまででその後の作業が行なわれていない。これは非常にもったいないことだ。と言うのも改善のための基本となるデータがあるからだ。
実は、この基本データ取りが一番厄介だったりすることが多いのだ。
発生した不良の記録はしないといけないという意識はあるのだが、では何のためにその記録を取るのかというところまでには至ってないのが残念だ。
意識はあってもできていないと言うことかもしれない。
今日のポイント
何のためにこういったデータを取るのか?読者のあなたは当然お分かりと思う。
それは、
- 現状、実態を把握するため
- 状況の変化、推移を掴むため
- 内容を分析して改善するため
だ。
このメーカーさん、まず次は週ごと、または月ごとにまとめてみることが必要だ。
業種によってはデイリーの推移が必要なこともあるが、この場合は、最低でも週単位で十分だ。
そうでないと全体の傾向を掴むのが難しくなるためだ。
その次には、週単位でも月単位でまとめたデータをグラフにすることだ。
表のような数字が並んでいるものを見ても、全体がどうなっているのかを掴むのは困難だ。日々のデータが頭に入っている担当者なら可能かも知れない。
しかしそうではない部門長や工場長、総経理には不可能だ。グラフ化の有効性に気づいていないようで、このグラフ化をやっていない工場は意外と多い。
そして全体を把握した上で改善すべき項目の優先順位を決め、取組めるとすばらしい。ここまでできると80点である。えっ、あと20点は何?
→忘れてはいけないのが、改善効果の確認だ。
ここまでの内容は、当たり前だ、わかっている、そんな意識は当然持っているとお考えの読者の方が圧倒的に多いのではないかと思う。
しかし100点いや80点のところまでできている会社は意外なほど少ない。
これが中国工場の実状である。
わかっている、意識は持っていると言うあなた、できていないとしたら、それはわかっていない、意識がないのと同じである。
⇒ここがポイント!!
補足
わかっている、意識しているができていない。それには、それなりの理由があると思われる。
例えば、
- わかっているが工数が取れない
- これ以上の改善はできないと、難しいと思っている