機械系女子学生が企業選びで重視するポイントとは?メカジョ未来フォーラム開催
世界経済フォーラムが昨年10月に発表した世界各国の男女平等の度合いを指数化した「ジェンダー・ギャップ指数」において、日本は世界144カ国中111位。主要7カ国(G7)で最下位だった。
「リケジョ」「メカジョ」といった言葉が使われるように、日本において研究者・技術者の女性が占める割合は国際的に見ても著しく低い。たとえば日本機械学会では、約35000人の会員に対し女性は1000人以下だという。
こうした現状をうけて日本機械学会が企画したのが、機械系を専攻する女子学生を対象とした『~女子学生のための~第1回メカジョ未来フォーラム』(2017年3月14日、明治記念館)だ。
女子学生の機械工学部への進学率は低く、身近で詳しい話を聞ける人を見つけるのは難しい。そんな女子学生のために現在活躍中の女性研究者・技術者の体験談が聞けるトークセッション、そして企業と直接交流できる場を設けた。
1部のトークセッションでは東京大学の教授で日本機械学会の筆頭副会長も務める大島まりさん、株式会社日立製作所 研究開発グループ 技術統括センタ長 兼 CIOの福山満由美さん、日産株式会社よりフランス・ルノー社に出向、新ハイブリッドシステム開発プロジェクトチームで活躍中の浜口有香さんの3名が登壇。2部の交流セッションには、50の企業が参加した。
1部のトークセッションでは3名の研究者・技術者が自身の体験談を紹介し、これからの未来を担う女子学生たちにエールを送った。
「モノをつくる時代からコトをつくる時代に変わり、これからは“協創”が大切になってきます。国や地域の壁を超えたアプローチが不可欠。世の中で起こっているいろんなことに関心を持ち、技術だけでなく、俯瞰で物事を見てください。そして相手を思いやったり、相手の立場に立ったりして“共感する力”を養ってください」(福山さん)
「やりがいを見出していた純メカ系の仕事からプロジェクトマネジメントの仕事に異動になりました。この経験を経て気がついたことは、自分にきた仕事には意味があるということ。乗り気がしなくてもちょっとやってみることが大切です。やり方は人の数だけあります。自分が選んだ道は自分で“正解”にしていくことが重要です。また今女性を活躍させたいと考える企業は多くあります。私はチャンスはしっかり利用しちゃえ! と思ってます」(浜口さん)
参加した女子学生たちからは、「クラスに40人いても女子は2人程度。同級生も先輩も少ないため、こうした機会は貴重」「進学か就職でずっと悩んでいた。浜口さんの話を聞いて進学しようと決意できた」「就職先を考えるときに仕事と生活の両立は絶対に考える。交流セッションではプライベートもちゃんと充実させられるかどうか企業に直接聞いてみたい」「出産・子育てや博士課程の取得をちゃんとサポートしてくれる会社にいきたい」といった声が聞かれた。
「メカジョ未来フォーラム」は、今後も毎年3月に継続して開催していくとのこと。
『~女子学生のための~第1回メカジョ未来フォーラム』一般社団法人 日本機械学会
『The Global Gender Gap Report 2016』World Economic Forum