材料のロス率が計算と合わないのはなぜ??
ある日系中国工場での話です。
その会社は金属材料の加工業で、中国に工場進出してから既に20年以上経っていて、中国では成功組と言えるでしょう。
現在の総経理は駐在歴10数年になるベテランです。
縁があって、その工場の工場診断をする機会がありました。
ISOなどの認定も取得しておりQMSの仕組みは概ねできていました。
課題はQMSではなく、工程の効率化、ムダ取りにありました。
工程間のつながりがあまり意識されていないようで、そのために仕掛在庫が非常に多い状態でした。
工程での作業にも見直す余地がたくさんありました。
総経理が材料のロス率がいつも計算と合わないと言っていました。
ロス率は計算上の数値よりも実際は多くなっていました。
そのひとつの原因に材料の紛失があるようです。
紛失と言っていますが、盗難と言い換えていいでしょう。
総経理はこうも言っていました。
「たぶん作業者が持っていってしまっているのだろう。チェックしても、その気になれば隠せるからな」と。