春節の忘・新年会は2回に分ける?(その4)

春節の忘・新年会は2回に分ける?(その4)

春節に多くの会社で行う忘・新年会を作業員を中心にした会と、事務職・管理職を中心にした会の2つに分けて実施している会社の例を紹介し、そして、アンケートでその賛否を読者のみなさんに問うてみた。

前々回、そして前回、アンケート結果と読者の方からいただいたコメントを紹介した。その中に事務職・スタッフは作業者との差別化を望んでいるのが実状とのコメントがあったので、それについてメルマガでアンケートを実施した。

 

アンケート結果

☆事務職・スタッフはワーカーとの差別化を望んでいる。賛成ですか、反対ですか?

◆賛成 (望んでいる)    9票
◆反対 (望んでいない)   2票

 

投票数は少ないですが、差別化を望んでいるという回答が圧倒的でした。これもいろいろ考えさせてくれる結果でした。投票してくれた方、ありがとうございました。

今日のポイント

ここで読者の方からいただいたコメントを紹介します。コメントをくれた「通りすがり」さん、いつもありがとうございます。

 

『前々回に追加コメントしたのですが、あまり役立つものではなかったようなので、前回のコメント募集への参加は遠慮しておりました。
→役に立たなかったなんて違いますよ。別の機会に紹介する予定でとっておいているのです。

根本先生が前回で紹介した御意見等は、チョッとステレオタイプに過ぎるように思え、世の中の現実や中国の一端に触れる事が役立つかと考え、以下にコメント致します。

モチベーション、会社への帰属意識、道徳観などを基に忘年会の開催からスタッフ・ワーカーの差別化まで単純に議論を進めてきておりますが、皆さんが捉えている現実はどうなのでしょうか? 事業所の立地やワーカーとスタッフそれぞれの出身地・出身層(文化程度?)等々で状況は色々と異なったものになるのではないでしょうか? それと、中国人一般に共通する面子や同郷意識(同じ方言を話す)の強さがどのように表れるかで、道徳観というような単純モノサシでは測れなくなるのではないでしょうか?

 

地元の方々をワーカーとして雇い、地元出身の学卒でスタッフを固めた場合は、学卒者の面子としての差別意識が働きますが、スタッフを地元以外からバラバラに採用した場合は、逆にワーカーの方に強い差別意識が生まれる場合もあります。ワーカー同士は地元の方言で話してスタッフを疎外したり、スタッフの話す普通語を訛っていると笑ったり色々です。ワィディーレン(外省人)への差別意識はまだまだ強く残っているように感じます。

また、ワーカーもスタッフあちこちから採用しますと、出身地域(同じ方言を話す)でまとまり、数の多い方が少ない方を差別するとかで、スタッフとワーカー間よりも強い差別意識が見られる場合も見受けます。

 

面子の強さを除けば、日本でも地方の工場では同様の差別も見受けます。本社所属のスタッフは差別化を受入れるが、地元出身のスタッフは差別化を望まないとか……類似例は色々とあるようです。

ですので、このような問題の単純化(差別化を望む・望まない)は、思わぬ誤解や先入観を与えてしまうという忠告のコメントさせていただきました』

 

いつも単純化しているわたしの質問に通りすがりさんは、いろいろな切り口で深掘りをしてくれます。

確かに通りすがりさんが書いたようにいろいろな要素があるので、それぞれの会社の事情でベターなやり方を決めてもらえばよいと思っています。その際に、自分と違った考え方や意見はとても参考になるとも思っています。

補足

実は、顧問的な役割をさせてもらっている会社のトップもこのメルマガを読んでくれており、忘年会を2つに分けてやることのアンケート結果には考えさせられたとの話で盛り上がりました。

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/