旧式装置の再稼働で不良発生?!
今回はある会社の中国工場で起きた不具合の事例を紹介します。
発生した原因がわかってしまえば基本的なことですが、中国という国、工場で生産をするには、その基本的なことを疎かにしないことが重要だという事例です。
以前わたしがいた工場で購入していた部品のひとつに金属にオイルを含浸する仕様のものがありました。
ただオイルに漬ければよいというものではなく、金属部品重量に対して浸み込んだオイルの重量が規格として決まっていました。
オイルの含浸量がその金属部品の性能を左右する重要な要素となっていたのです。
ある日現場からこの部品のオイルの含浸が不十分なロットがあるとクレームが来ました。
早速現品を入手しこちらでも検査部門で再検査をして、オイルの含浸が不十分なことを確認した上で、メーカーにクレームし原因・対策そして波及ロット報告を要求しました。
原因はすぐにわかりました。
このオイルの含浸には、通常自動の含浸装置を使っているが、このときは手動の含浸装置を使ったとのこと。
そして、手動の装置で含浸するためのスイッチを作業者が押し忘れて、時間だけをチェックしていたので、ただオイルに浸けただけとなり、内部には浸透していなかったということでした。