日系企業中国人幹部・転職のきっかけは??
前回ある中国人社長の人材採用に関するポリシーを紹介しました。その中で「ここまで考えて採用している日本企業は少ないのではないか」と書いたところ、北京で総経理経験のある知人よりコメントをもらいましたので、紹介したいと思います。
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事例としてとても面白いですね。でも中国系企業の中国人社長だから出来たのでしょう。日系企業では、派遣された社長に実質的な権限が殆んどない。採用権限程度はあっても、自社の将来像を語るにはそれだけの権限が与えられていない。
派遣された社長にも任期があり、将来像を語れても所詮在任期間が終れば、それは引き継がれない。逆に言えば、この中国企業は、オーナー系だからできる事で、同じ中国系でも政府関係等は、全くこうした事はできない。
従って、この事例は果たして中国と日本の違いなのか?
会社組織とオーナー企業の違いなのかもしれません。
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確かに日系企業のトップは、任期がくれば自分がいなくなってしまうのですから、このようなことはできません。
その知人が中国駐在時代にあった中国人幹部の転職事例を紹介します。稀な事例かとは思いますが、実際に起きたことです。
そこそこ優秀で、現地社員の星として3代前の日本人総経理が祭り上げて出世させた当時39才の女性がいました。年収はUS$15万と破格でした。でも、周りとの協調性なく、現地社員の間でも浮いた存在で、みんなに煙たがられていました。
日本本社での現地社員の幹部クラスを集めた研修をすべてこなしたこともあり、中国現地法人の研修を含めて、会社には彼女が自己啓発できるものがありませんでした。
そこで彼女は、自分で探してきた17,000人民元もする企業買収(M&A)の3日間MBA講座を無理やり会社に費用を出させて受講しました。
1年後、そこで知り合った某有名中国企業に雇われ転職しました。年収は何とUS$500千、3倍です!
某有名中国企業は、彼女の会社の管理手法を定めた会社の規程と同じものを作りたくて、それについて日本本社との交渉役であった彼女を採用したのではないかというのが、知人の見立てです。
「どうもEMBAは、勉強する場ではなく、女は新しいパトロン探し、男は新しい事業も含めた伴侶探しの為の出会いの場と化している」とも言っていました。
そこそこの優秀さでしかないこのケースとは違いますが、本当に優秀な中国人は、1つの企業に長居をするつもりは全くありません。今いる企業を踏み台としてどんどんステップアップしていきます。そんな人は雇ってもずっと会社にいると考えてはいけません。