日系中国工場・不良原因調査は完璧!!
今回は、わたしが中国駐在員時代に仕入先メーカー(M社)で発生した
不良の調査報告書に関する話です。
回答書の内容は、
問題発生に関するアプローチ、ロットの特定、原因が明確に記されていて、
模範的な回答でしたが、
その発生原因を見ると「何だ、これなの」という思いがした事例です。
工場のある工程でM社から購入していた部品に外形寸法不良が発見されました。
不良率は2%と低くありません。
その部品は、プレス加工、成形後に機械加工がいくつもある手間の掛かるものです。
【1】ロットの特定
納入先(わたしがいた会社)より提供されたロット情報から、更に絞込みを行なうため、
ある機械加工状態の確認を行い、キープサンプルと比較した。
これは加工機により微妙に加工状態が異なる特徴を利用して、
使用した加工機を特定するためのものです。
この調査から不具合品を加工した加工機がAであることが特定出来ました。
【2】A加工機の履歴調査
次にA加工機のメンテや加工結果の履歴を調査して、以下のことがわかりまた。
1. 対象品を加工したと思われる期間で、加工結果に変化点があった。
2. その期間のある時に、計画停止で生産がストップしていた。
3. 上記計画停止前後で外形寸法に変化が認められる。
4. 上記の調査結果を受けて、計画前後のキープサンプルで加工状態を見てみると、違いがあることが確認できました。
これらのことから、計画停止前後で何らかの不具合が発生していたと思われました。
ただし、異常発生の記録は残っていませんでした。
【3】聞き取り調査と原因
記録が残っていないので、担当者に聞き取り調査を行いました。
その結果、計画停止の前に設備に異常が発生したので、
停止中にメンテナンスを行っていたことがわかりました。
そして、メンテナンス後に段取り・調整を行うが、
その調整品の処置をきちんと行われず流出したことが原因と判明したのです。
現調査は、完璧でした。