日中合弁に公平性を求めるな!!
今回は、1月23日に開催した岩城先生の「中国調達セミナー」でのお話の中で印象に残った内容を紹介したいと思います。
前回も少し触れましたが、中国で中国企業と合弁企業を立ち上げるときに考えるべきは、「合弁相手と自社との公平な利益配分ではない」ということをお話されました。
先生は合弁企業に駐在されたことがあり、その時の経験などから次のように言っておられました。
例えば、中国国営企業と合弁をすると国営企業の使えない従業員を日系が雇う形になり負担だ。
国営企業の従業員は、教育はされていないし、仕事をしてもしなくても給料はもらえるので一生懸命仕事をすることはない。
また、最新鋭の設備なども日本側が揃えることになる。これも日本側だけの負担である。
日中合弁では、中国側はまったく汗をかかない。
日本側だけが一方的に汗を流すことになる。
それでも出した利益の半分は中国側が持っていってしまう。
公平な利益配分という名目からはかけ離れている。
日本企業は、これを嫌って日中合弁に乗らず中国進出で後れを取ったケースが多い。
欧米系の自動車メーカーは、公平な利益配分にはこだわらず自社の利益がどれくらい取れるかを尺度として中国に進出した。
それが現在の中国でのシェアにつながっている。
このお話は、正直目からウロコでした。
「相手にも自分たちと同じことを求めてしまう」
これにこだわっている自分がそこにいました。
岩城先生、貴重なお話ありがとうございました。