新規取引可否の判断レベルは現時点or 1年後の姿か?!
前回紹介した中国調達セミナーの岩城先生は、
「中国工場のレベルを判断するには、末端の作業者を見るのが一番」と言っていました。
末端の作業者とは、その工場で一番給料の安い作業者という意味です。
一番給料の安い作業者というと、だいたい梱包や倉庫の作業者が該当することになります。
ですから、その工場の梱包や倉庫作業者を見て判断するということです。
仮に新規取引可否の判断をするために相手企業の工場を訪問したときに、
梱包や倉庫作業者の仕事ぶりを見て、
レベルが低いと判断したら新規取引開始はNGとなるのでしょうか。
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■ 今日のポイント ■
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結論から言うと、どう判断するかはその会社の判断基準によることになります。
現時点で一定以上のレベルでないと取引開始は出来ないという判断基準であれば、
取引は不可となります。
しかし、そんなことを言っていたら取引できる中国企業は見つからないということで、
その時点ではレベルが低くても改善が見込まれるのであれば、
条件付きながら取引を開始するという判断もあります。
これは相手企業の現在のレベルではなくて、
将来の、それも近い将来のレベルを判断することをしているのです。
新規取引の可否判断をする場合は、
現在の状況やレベルで判断する場合と、
近い将来に見込まれるレベルで判断する場合があってしかるべきです。
近い将来のレベルは、現在レベルが低いと判断した問題が、
改善により近い将来レベルアップすることが期待できるのか。
できるのであれば、可と判断します。
それとも改善は見込めない、近い将来のレベルアップは見込めないのか。
見込めないのであれば、不可と判断することになります。
将来のレベルで判断した場合は、覚悟と苦労が必要になるでしょう。
でも、コストメリットは期待できるのではないでしょうか。
出典:新規取引可否の判断レベルは現時点or 1年後の姿か?!