新たな中国仕入先との取引に関する問題!!
ある日本ベンチャー企業が
中国企業に自社開発商品の生産委託を始め、
その商品の販売が始まりました。
これまでも中国企業の商品は扱ってきましたが、
あくまでも代理店という立場でのものでした。
代理店から一歩進んで自社開発商品を販売することで会社を大きくしていく計画です。
生産委託先の中国企業(工場)は、
今までの取引で培った人脈で知り合った人から紹介してもらいました。
中国生産委託先でつくられた商品は、
サンプルを日本に送ってもらい品質を確認します。
OKであれば、量産開始です。
その後の品質管理は、工場側の管理に任せています。
案の定、不良品が納入されてきました。
売れ筋の商品で不良が多発していました。
中にはサンプル確認で不良を発見したので、
修正するように指示したにも関わらず
修正されずに納入されたものもありました。
この日本企業と中国企業の取引では品質だけではなく、
下記の問題点があることもわかりました。
1)正式な契約書を取交していない
知人からの紹介ということで、
信用して正式な契約書を取り交わしていなかったようです。
不良が出たときの処理や納期遅延の際の補償などが
何も決まっていませんでした。
2)自社で品質を保証するための仕組みが整備されていない
現状では、品質は中国生産委託先工場にすべて任せてしまっていて、自社で品質を保証するために何をやればよいのかが分かっていない。
3)中国企業との取引をするための考え方が不足している
例えば、こちら側の要求を相手に理解してもらうには
どうすればよいか。
日本企業相手と同じような感覚では無理であること。
これについては、その違いを感じているようでした。
4)品質改善指導が必要なことは理解しているが指導の経験がない
売れ筋商品に不良が多発している現状では、
いずれ大きな問題が起きる可能性があるので、
今のうちに品質改善指導してその芽を摘んでおくことが
必要ですが、指導の経験がない。
まだ取引を開始してそれほど時間が経っていない、
また、取引量も今後増やす予定ではあるものの、
現状さほど大きくない。
今のうちに前述の問題点を解消する手立てをすれば、
大きな問題になる前に解決することも可能です。
今後も中国企業と取引をする日本企業は多くなるでしょう。
致命的な問題が起きる前に、
問題を解決しておくことは必須です。