技術部と品質保証部

技術部と品質保証部

技術部から品質保証部へ部署異動した入社6年目。今まで技術部として、品証部とバチバチと喧嘩をする事もしばしば。
そんな私が、品質保証部へ。技術部を俯瞰し、品証部の役割を知った時の私の心の動きを書こうと思う。

 

2017年6月まで私は約2年間セブ島にある工場に赴任していた。

業務内容は、金属加工部署の生産管理や新規案件のコントロールだ。

 

2017年6月から、品質保証部QMS推進グループに転属になった。

業務内容は、業務ルールやフローの明確化を実施し、マネジメントシステムの仕組みを構築することだ。

簡単に言えば、問題が起きない様な仕組みを作り、問題が発生した時の対応処置、予防を行っている。

 

さて技術部に居た時の品証部の印象は、決していいものではなかった。

技術部としては、モノを生産してナンボ。量産が止まる事程、恥ずかしいものはない。

顧客満足の為、そして自社の利益の為、モノを産み続ける。そんなプライドを持ってやっていた。

 

一方品証部は、データやエビデンスがないと、量産のGOサインを出せない。

どんな不良が発生しうるか検討し、検証しないといけない。量産が止まった事もあった。

ふざけんじゃねぇ。話の分からないやつだ。納期に間に合わない。何を考えてるんだ。そんな風に思う事も正直あった。

技術部の方は、そんな風に思う事もあるのではないでしょうか?

 

そんな私が品証部へ。

なんで品証なんだと多少の抵抗はあった。そりゃそうだ。今まで決して良好な関係ではなかったからだ。

ただ、元技術の品証として技術と上手くやっていけるのではないか。

少しでも品証部の印象を変える事が出来るのではないか、そう思った。

 

品証部に配属され、業務を頂いてからの印象は「顧客に近く、責任が大きい」という事。

そして、何も問題が起こらなければ平和な部署。顧客との距離はそんなに近く感じない。

距離がぐっと近くなるのは、顧客からのクレームが来た時だ。

 

クレーム発生→現状調査→改善、予防処置→効果確認→報告

 

品質問題が発生すると、顧客からの信頼がなくなったり、最悪の場合は失注する。

(※逆に、このクレームをチャンスにして顧客からの信頼を得る事もある)

自社の存続に関わる事になる可能性すらある。

顧客に説明したり、説得したりする責任があるため、データや履歴などのエビデンス(証拠)が必要になる。

エビデンスが無い状態で、まともに顧客に説明する事は出来ない。

何を以って、問題ありません。次は発生しませんと断定できるか。

 

また、そもそもそんな問題が発生しないようにしなければならない。

未然防止の考え方だ。

 

そうすると自ずと、技術時代に品証が言っていた

≪データやエビデンスがないと、量産のGOサインを出せない。どんな不良が発生しうるか検討し、検証しないといけない。≫

この言葉に重みを伴うことができる。

 

量産優先で、問題要素が残ったまま量産した時、潜在的に残されていた不具合が顧客先で表に出てくるかもしれない。

数量が多いものになればなるほど、経営的ダメージは大きい。

私は、今まで量産しモノを生み出す事を考え、問題が発生した時のリスクを十分に考えていなかった。

 

営業が安心し、顧客へ売りたいと思う商品を。技術が安心してモノづくり、開発が出来る様に。

品証が解決手段を検討して、技術と共に進化できるように。

 

品証部としての第一歩が始まった。


創業40年の製造業。ダイヤモンド事業からスタートしたテクダイヤは、会社本来の「人好き」が作用し、人との出会いを繰り返しながら業態変化を続ける。 現在はセラミック応用技術・精密機械加工技術・ダイヤモンド加工技術をコアとしながら先端技術のものづくりを支える。スマホやデータセンターなどの通信市場、更にはNASAやバイオ領域にも進出中。