意外と知られていない「容積重量」

意外と知られていない「容積重量」

貿易実務担当者として質問された中で、恐らく1番多かったであろう運賃に関する豆知識です。

容積?重量?どっち?

「容積重量」という言葉を聞いたことがありますか?時々「〇〇(海外)に荷物を送りたいんだけど幾ら掛かるの?」という質問を受け説明をするのですが、意外と容積重量という言葉や意味が知られていないので、少し解説したいと思います。

容積重量(VOLUME WEIGHT)とは、容積から計算(換算)された物流業界ならではの「重量」です。一般的に重量といえば「実(じつ)重量(Actual Weight)」を指すことが多いと思いますが、航空貨物の運賃重量は、IATA(国際航空運送協会)の規定に基づき、「容積重量」と「実重量」を比較して重い方をもとに計算されます。※輸送業者によって5,000 cm3/kgあるいは6,000 cm3/kgのどちらを採用するかは異なりますので、実際に計算する時は確認してください。

<計算方法 > (5,000 cm3/kgの場合)

容積重量(kg)=縦(cm)X横(cm)X高さ(cm)÷5,000(cm³/kg) ※端数は0.5kg単位で切り上げ

例えば、縦50cm横40cm高さ30cm、実重量10kgの荷物があるとします。

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この荷物の容積重量は50X40X30÷5,000=12.0kgとなり、実重量よりも容積重量の方が重いため、運賃は容積重量12.0kgをもとに計算されます。

なぜ「容積重量」というものが存在するのか

荷物を運ぶ手段には飛行機や船等色々ありますが、どれも運べる重量やスペースには限界(制限)があります。仮に「実重量」で輸送費が決まってしまうと、重くて小さい貨物の方が、軽いがスペースを大きくとる貨物より輸送費が高い、という不公平な状態になります。また、輸送業者にとっては、軽くて大きいものが多ければ多いほど収入が減ってしまうことになります。

このような事態を避け、より公平な運賃を決めるために、「容積重量」という基準を設けているのです。物流部門以外でも営業や技術の方の役に立つかと思いますので、頭の片隅にでも入れておいていただければ幸いです。

 

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創業40年の製造業。ダイヤモンド事業からスタートしたテクダイヤは、会社本来の「人好き」が作用し、人との出会いを繰り返しながら業態変化を続ける。 現在はセラミック応用技術・精密機械加工技術・ダイヤモンド加工技術をコアとしながら先端技術のものづくりを支える。スマホやデータセンターなどの通信市場、更にはNASAやバイオ領域にも進出中。