工場監査の指摘で大事なことは何??

工場監査の指摘で大事なことは何??

前回、仕入先の工場監査で50項目の問題点を指摘したスタッフがいたと書きました。

その工場が、こちらの要求するレベルになっていないと言うことなのですが、これを見たときにこの会社とよく今まで大きな問題もなく取引が出来ていたなと思いました。

果たしてこの50項目の改善要求に対応出来るのだろうかとも感じました。

この改善要求に対応するには相当の工数がかかることは容易に想像できます。
やろうとすると他のことは何もできなくなるでしょう。
対応するにしてもいっぺんには出来ないので順番にやることになりますね。

「先方の処理能力を超えているのでは」と言う懸念があったので、そのスタッフと打合せをしました。

彼も厳しい要求であることは十分理解していたが、このままではまずいという想いが優先して、気がついたすべてを指摘項目としてその改善を求めたということでした。

そこで、50項目にこちらで優先順位を付けて、段階的に分けて対応してもらうように変更しました。

早急に改善してもらわなければならない項目を、優先したことは言うまでもありません。

わたしがいやだったのは、先方が対応する順番とこちらが先にやって欲しい項目がずれることでした。
使う側と作る側で対応の優先順位が一致するとは限らないからです。

工場監査で管理などの不備に気がつくことはたくさんあると思いますが、いつもそれを全部相手に言えばよいということではありません。
相手のレベルに応じて、相手ががんばれば対応できる範囲に抑えることも必要です。

決して取引先を甘やかすということではありません。
いかに早く改善を進めてもらうか、それも重要なものからやってもらうための手段と考えています。

相手のことを考えているようですが、実は自社のためということなのです。

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/