工場監査の指摘で大事なことは何??
前回、仕入先の工場監査で50項目の問題点を指摘したスタッフがいたと書きました。
その工場が、こちらの要求するレベルになっていないと言うことなのですが、これを見たときにこの会社とよく今まで大きな問題もなく取引が出来ていたなと思いました。
果たしてこの50項目の改善要求に対応出来るのだろうかとも感じました。
この改善要求に対応するには相当の工数がかかることは容易に想像できます。
やろうとすると他のことは何もできなくなるでしょう。
対応するにしてもいっぺんには出来ないので順番にやることになりますね。
「先方の処理能力を超えているのでは」と言う懸念があったので、そのスタッフと打合せをしました。
彼も厳しい要求であることは十分理解していたが、このままではまずいという想いが優先して、気がついたすべてを指摘項目としてその改善を求めたということでした。
そこで、50項目にこちらで優先順位を付けて、段階的に分けて対応してもらうように変更しました。
早急に改善してもらわなければならない項目を、優先したことは言うまでもありません。
わたしがいやだったのは、先方が対応する順番とこちらが先にやって欲しい項目がずれることでした。
使う側と作る側で対応の優先順位が一致するとは限らないからです。
工場監査で管理などの不備に気がつくことはたくさんあると思いますが、いつもそれを全部相手に言えばよいということではありません。
相手のレベルに応じて、相手ががんばれば対応できる範囲に抑えることも必要です。
決して取引先を甘やかすということではありません。
いかに早く改善を進めてもらうか、それも重要なものからやってもらうための手段と考えています。
相手のことを考えているようですが、実は自社のためということなのです。