始業開始時間の出社でOKな会社?
広東省にある精密部品を扱う会社を訪れて驚いたことがある。朝8時が始業開始だが8時5分前にはまだ作業者が敷地内の寮からゆっくりと工場の入口に向かって歩いている。
大きな工場ではないので8時には自分の作業場に着くことが出来ると思いきやそうではない。この工場では作業の特殊性から工場内で着替える必要があり、その着替えに5分くらいはかかる。
案の定、8時の始業開始時間には更衣室に多くの作業者がいる。この作業者たちは8時の作業開始時間を守っていのである。
だいたい10~20%の作業者が時間を守れていないようだった。しかもそれはその日に限ったことではなく毎日のことであった。
作業者が時間を守らないのはもちろん問題であるが、もっと問題なのは日本人を含めた工場管理者がその事実を知っていながら、それを是正するための適切な対応をしていないことだ。
今日のポイント
この工場の管理を任されているのは中国人の工場長と日本人の副工場長だ。総経理は日本人で香港におり週に1回来る程度であった。実質的に工場管理の責任者は日本人の副工場長である。
ところがこの副工場長の認識が甘い。8時に始業を開始すると言うことの意味を理解していない。学校と勘違いをしている。
学校であれば、8時半に校門をくぐれば遅刻とならない。しかし、会社は違う、特に工場はそれではダメなのに。
8時に始業ということは、それまでに自分の作業する場所に着いて、仕事を始められる準備をすることを意味する。
8時には全員がそろって朝礼を始められなくてはならない。会社よっては朝礼を始業前に行うところも多い。
一事が万事であり、ひとつ規則を守らなくてよいとなると他の規則も守らなくてもいいと作業者は考えてしまうことが恐ろしい。この日本人副工場長にはそのあたりの話をしたのですが、あまりピンとこなかったようだった。
補足
作業者の管理には場合によっては厳しく管理することも必要だが、この副工場長はそれができない人のようだった。
もう一人の日本人を含め、作業者から甘く見られているような態度、雰囲気が工場内のあちこちで感じられた。