外観検査-時にはWスタンダードも必要??
前回の続きです。
ある会社が、中国工場で生産されている同じ製品を日本向けと中国向けで販売していました。
ところが中国工場から日本に納入された部品での外観不良が多発していました。
状況を確認していくと中国工場の部品は、日本向けと中国内向けで品質に差がある訳ではなく、同じレベルのものが納められている。
それなのに日本では問題が多発しているが、中国内向けでは問題が発生していませんでした。
外観検査の基準はもちろんあります。同じ製品なので当然同じ基準です。
中国工場から出荷され中国内で販売された場合は問題にならないが、日本で販売すると問題になるということでした。
要するに、中国内向けでは問題のない基準でしたが、日本ではその基準だと問題になるということです。
この場合、割り切って日本向けと中国内向けで違う基準とするという考え方もできます。
中国内向けでは問題が出ていないので、現在行われている検査基準でOKとする。日本向けは、日本の求める水準での検査とする。そう、Wスタンダードにするということです。
中国内向けまで日本が求める水準を適用させることは、過剰品質を求めることになりコストに影響が及びます。
Wスタンダードにする場合、中国人には日本の求める水準が容易には理解できない部分があるので、粘り強く落し込んでいくことが必要です。
中国企業や中国人と仕事をしている日本人でも中国人の考え方や気質を簡単には理解できずに苦しんでいる人も多いと思います。
ですから、中国人とのビジネスの進め方などのセミナーが数多く行われている訳です。
逆の見方をすれば、中国人も自分たちの持っている感覚と大きく違う日本人の求める品質水準を簡単には理解できないことがわかると思います。
ある意味根比べのようなものですね。