変化点を見逃すな!!

変化点を見逃すな!!

不良率推移データと最近発生した不具合の現品を見せて、最近のLotに問題があることをメーカー側も認めたので、

工程での変化点、そして原因を見つけるべく再調査を行ってもらいました。

再調査の結果、変化点が見つかりました。
プレス成形後に焼結を行うのですが、4ヶ月前にプレス機の調整を行っていて、その調整には1台あたり2~3日掛かっていたことが記録からわかりました。

では、それが品質にどのような影響を与えていたのでしゅうか。

今回の調査でわかったのは、機械を調整していた2~3日の間、材料がホッパーに残ったままでした。
そして調整後、ホッパーに残したままの材料を使用してプレス成形していたのです。

材料をホッパーに入れっ放しにしておいたことで、水分が蒸発してしまいました。
成形するときの材料には適切な水分量というのがあって、それが不足すると成形・焼結した後に割れが発生しやすいものになることがわかりました。

通常、プレス成形が規定の数量完了すると、材料はホッパーから排出して保管されます。
今回2~3日のホッパー内放置が含有水分量に影響を与えると言う認識がなかったので、当初変化点として捉えることができませんでした。

製品への影響の有無に関わらず、普段と違う作業やメンテなどを行った場合は、変化点と捉えて見る必要があります。

このメーカーの場合、機械調整の記録はきちんと残しておいたのですから、それを変化点と捉えて、その影響を確認してみることが出来ればよかった訳です。

何回か言っていると思いますが、何か問題が発生したときには、大抵普段とは違うことが起きていたり、違う何かをやっていたりします。

普段通りやっていれば、そうそう不良は発生しないものです。

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/