変化点を見逃すな!!
不良率推移データと最近発生した不具合の現品を見せて、最近のLotに問題があることをメーカー側も認めたので、
工程での変化点、そして原因を見つけるべく再調査を行ってもらいました。
再調査の結果、変化点が見つかりました。
プレス成形後に焼結を行うのですが、4ヶ月前にプレス機の調整を行っていて、その調整には1台あたり2~3日掛かっていたことが記録からわかりました。
では、それが品質にどのような影響を与えていたのでしゅうか。
今回の調査でわかったのは、機械を調整していた2~3日の間、材料がホッパーに残ったままでした。
そして調整後、ホッパーに残したままの材料を使用してプレス成形していたのです。
材料をホッパーに入れっ放しにしておいたことで、水分が蒸発してしまいました。
成形するときの材料には適切な水分量というのがあって、それが不足すると成形・焼結した後に割れが発生しやすいものになることがわかりました。
通常、プレス成形が規定の数量完了すると、材料はホッパーから排出して保管されます。
今回2~3日のホッパー内放置が含有水分量に影響を与えると言う認識がなかったので、当初変化点として捉えることができませんでした。
製品への影響の有無に関わらず、普段と違う作業やメンテなどを行った場合は、変化点と捉えて見る必要があります。
このメーカーの場合、機械調整の記録はきちんと残しておいたのですから、それを変化点と捉えて、その影響を確認してみることが出来ればよかった訳です。
何回か言っていると思いますが、何か問題が発生したときには、大抵普段とは違うことが起きていたり、違う何かをやっていたりします。
普段通りやっていれば、そうそう不良は発生しないものです。