品証部とリスクマネジメントと私
一般に品質保証部が日々使う言葉は、QA、QMS、SPC、FMEA、DRBFM、ISO……品質保証の世界には略語が多く、知らない人にとっては難しいイメージがあるだろう。
今日はリスクマネジメントの話をしようと思う。
リスクマネジメントとは、Risk Management。
直訳すると、リスク管理。
意味は、これから起きるかもしれない危険に対して、事前に対応する行動である。
簡単にいうと、雨の予報(=リスク)だから傘を持って行く。
一見、堅苦しい言葉で取っ付きにくい品質保証部だが、割と皆さんの身近で、皆さん自身が実行している事がある。
スーパーで、モノを買うときもなるべく賞味期限が長いものを選んだり、原材料を見て、内容物を確認(=仕様書確認)したり、あまり痛んでいないトマトを選んだり(=外観検査)して、健康意識や腐る、捨ててしまうというリスクを回避している。
さて、私は8月に顧客の品質監査対応に同席した。
監査が終了し、週末を過ごしていた時にフィリピン風邪を発病した。
フィリピン風邪は、基本的に39度近い高熱が3日程度続く。
関節が痛くなったり、咳が出たり、頭痛がしたり、フルコースだ。
まさか、出張中に風邪を引くとは。
週末明けの数日、ホテルに籠るハメになってしまった。
その間貴重な時間を無駄にしてしまい、関係者へ迷惑をかけた。
そう、リスクマネジメントが出来ていなかったのだ。
とはいえ、どれだけリスクを考えていても対応出来ない事もある。
自分の体について、自身で把握できていない事や知らない事が多いからだ。
ここで品証部のマネージャーが言っていた言葉を紹介したい。
≪知らない事や解っていない事がリスクなのだ≫
知らない事を認識して、知らない事を知ることで、身の回りに潜むリスクを回避できる可能性を上げる事ができるのではないだろうか。
私が高熱で寝込んでいる間、巷では私が夜遊びをしたから、風邪を引いたのだというウワサが広まっていたそうだ。
このウワサのリスクを回避する方法は、今となっては難しい。
リスクマネジメントは、身近に至る所に存在している。
日々みんなどこかで、リスクマネジメントしている。
そして、奥が深い。
リスクマネジメントを全員が考えられる、強い組織を目指して。