吉野家、店舗での食器洗浄工程に協働ロボットを導入。工数を78%削減
人と共に働く協働ロボット(co-bot、コボット)「CORO(コロ)」を開発・製造・販売するライフロボティクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:尹祐根、以下「ライフロボティクス」)は、(株)吉野家の店舗における食器洗浄工程に「CORO」を導入し、約78%の工数削減に向けた取り組みの詳細を公表した。
なお、この取組みは、経済産業省平成28年度ロボット導入実証事業に採択されたもの。
取組み概要
「CORO」が担う工程
今回の取組みは、吉野家店舗での食器洗浄工程に「CORO」を導入するというもの。
従業員はシンク下に設置された回転ブラシで食器を軽く洗浄し、コンベア上に伏せて置く。その後食器はコンベア上を流れ、食器洗浄機で洗浄される。
「CORO」は、食器洗浄機から出てきた濡れた状態の食器を識別し、種類ごとに積み重ねる。
前工程とコンベアへの配置
従業員がホールから回収した食器を下向きにして、食器の内側を回転ブラシに2秒程度接触させ、残飯処理と簡単な事前すすぎを行う。
その後、食器の内側を下向きにしたまま、コンベアの上に置いていく。
食洗機による食器洗浄工程
コンベアで運ばれる食器は、食器洗浄機内を5秒程度で通過することで洗浄される。
COROによる仕分け工程
食器洗浄機から出てきた食器は濡れたまま、カメラで認識できる範囲までコンベアで搬送される。
その後上部に設置されたカメラにより撮影され、画像処理により大きさや形を認識し、食器の種別を判別します判別された食器は、濡れたままCOROにより把持された後、食器格納場所まで搬送され、種類別に積み重ねられる。
ある程度食器が積み重ねられると、従業員に通知。万が一、従業員がCOROの近くに来ると、センサーが反応しCOROが一時停止。従業員が離れると、COROは元の動作に復帰する。
「CORO」が採用された理由
ロボット導入による業務効率化の余地が大きいとされる外食産業。吉野家では、1店舗1日あたり約1,300の食器を洗浄しているという。
この食器洗浄作業における食器の浸漬、洗浄から洗浄後の格納作業は従業員の腰や肩への負担をはじめ、食器の破損による手指の怪我や手荒れなど、従業員にとってダメージが大きい。
また店舗のバックヤードは狭いため、狭小空間でも協働可能なロボットとして「CORO」が採用された。
工数78%削減!「CORO」の導入効果
今回の「CORO」の導入は、作業者の負担の軽減、店舗の生産性向上だけでなく、接客時間の増加による顧客満足度向上も見込んでいるという。
食器洗浄工程への「CORO」の導入により、食器洗浄作業の労働時間は2.3時間から1.8時間に短縮される。そしてさらなる取り組みにより、0.5時間と約78%の工数削減を目指すとしている。
今後は食器洗浄工程以外の作業も自動化することで、より一層の生産性向上を目指していくとのこと。
協働ロボット「CORO」とは
「CORO」は、狭小空間で安全に人と一緒に働くことを目的として開発された世界で唯一、肘の無い協働ロボット。
最大の特徴は肘回転関節をなくし、独自特許技術TRANSPANDER®(トランスパンダー)テクノロジーによる伸縮する関節の採用。この独自技術により「CORO」は人の専有面積以下での動作が可能になった。
肘回転関節がないアームのシンプル動作は人の危険予測を安易にし、人と協働する高い安全性を実現する。さらにソフトウエアと本質安全を高めるハードウエアによる動作範囲の制限も可能。
これまでロボットの導入が難しかった生産現場や狭小空間での単純作業を「CORO」が担い、人と共に協働することで高い生産性と効率性を実現する。
協働ロボット「CORO」の特長
肘回転関節を不要にしたTRANSPANDERテクノロジー
人との協働を実現
人の専有面積以下での動作により今日小空間への導入が可能
抜群の安全性
動作範囲の制限
シンプル動作で動作予測可能
簡単導入
ダイレクトティーチングを超える簡単さを実現することで、これまで難しかったティーチングの簡単化を実現
設置工事が不要
「CORO」の仕様
商品名:CORO
発売日:2016年1月
動作形態:多関節型ロボット
本体重量:26kg
可搬重量:2kg
最大合成速度:2000mm/s
最大リーチ:860mm
消費電力:最大400W
出典:『ライフロボティクスの協働ロボット「CORO®」を吉野家の店舗における食器洗浄工程へ導入 食器洗浄作業を1日2.3時間から0.5時間と約78%の工数削減へ』ライフロボティクス株式会社