乳鉢で粉砕作業命じられた理系社員が見出した、効率よく完遂するワザ
気温差が激しく、クリーンルームの温湿度管理が大変です。こんな話もいずれできればと思います。
第2話 ~乳鉢との戦いPart2~
粉砕作業に3日……その日からの私のスケジュールはこうです。
9:00
始業・朝礼
9:30
日常点検
10:00
粉砕開始
12:00
お昼
13:00
粉砕再開
18:00
粉砕終了
マジです。
通常業務もちょこちょこありましたが、1日乳鉢さんに費やしています(自動乳鉢のカタログをこっそり見てましたが、今回はまだ試作なのでもちろん買いません)。
作業はいたって簡単。粉を乳鉢で砕き、ふるいにかけるだけ、といたってシンプルなものです。
しかし、800gという粉の量とふるいのメッシュが#100と細かいのがネックです。
-1日目-
この日は作業し始めということもあり、要領を得るのに少し時間がかかりました。
結局、この日粉砕したのは150g……
全体の進捗で言えば、たったの20%弱……(1話を読んだ方ならわかると思いますが、20g/hでの計算だと割と善戦しています)
-2日目-
この日も1日粉砕に充てましたが、私が部屋で独り、黙々と作業している姿を見かねた先輩方が何度か手伝いに来てくれました。
そのおかげか、この日粉砕したのは300g!!
全体の56%の進捗まで何とかこぎつけました!
-3日目-
2日目に面倒を見にきてくれていた先輩は別の仕事が入っており、完全に1人……残されたのは350gの粉と連日の酷使によりマメのできた私の手だけです……。
しかし、その日の私は冴えていました。
15時には350gの粉を粉砕し、その日の内に出荷の手続きまで終わらせたのです!!
速度で言えば、87.5g/h
想定の約4倍の速度です。こうして私は乳鉢との戦いに、無事勝利したのでした……。
さて、日記はここまで。今回学んだことを少し書きたいと思います。
<乳鉢での粉砕の仕方>
乳鉢の壁面に粉が固まってしまうというところが粉砕を困難にさせる要因のようです。
基本的ではありますが、やはり重要なのは、“乳鉢に力と粉を入れすぎないようにすること”かと思います。
よく言われることですが、大量に粉を入れてしまうと、力がかかった粉が乳鉢壁面で固まり、著しく効率を下げます。
今回の試作では、最初はだいたい5~10g程度、最終的には2~3g程度を目安にしていました。また、同様の理由で気合を入れすぎてしまうと粉が壁面で固まります。
また“乳棒の動かし方”も重要です。
壁面に上ってきた粉はスパチュラで下に落とすことが多いと思います。
これを、
図のように乳棒を動かすことで、粉をこぼさない&スパチュラの使用頻度を減らすことができます。
これで壁面に粉がくっつく機会も減るので粉砕効率upです。
たったこれだけですが、非力な私でも限られた時間で大量の粉を粉砕する役に立っていたと思います。
あとは、基礎の基礎ですが、事前の計画をきちんと立てることですね。
お気づきの方も多いかと思いますが、40hの計画は3日では無理ですよね?
このように社会人としてもまだまだ見習いですが、今後も学んだことを日記として残していきます。
私が一人前になれるまで、しばしお付き合い下さい……。それではまた。