中国食品工場問題・過去の教訓を活かせていない?!
この記事は、2014年7月配信のメルマガを再編集したものです。
中国食品工場によるずさんな管理がテレビ報道によって明らかになりました。
最初にこのニュースを見て、「中国では起こるべくして起きた」「氷山の一角ではないか」ということが頭をよぎりました。
この件に関して、オンエアはされませんでしたが、「中国工場の品質管理の専門家として、今回の事件をどのように見たか?」と某テレビ局から取材を受けました。
わたしもニュース等の報道での情報しか持ち合せていないので、その範囲の中で言えることをお話ししました。
過去の教訓が活かされていないと言えます。毒入り餃子事件、その後のメラニン混入ミルクの事件など、これら過去に起きた事件から日本企業は、中国企業に食品製造を委託する場合の管理や考え方を学んだはずです。
何を学んだのか?
毒入り餃子事件からは、従業員を大事にしていない企業・工場では、あのような事件が起こり得ること。
委託先企業の従業員の扱いやその待遇などをチェックすることが必要だと学んだはずです。
従業員の扱いや待遇に関しては、米国ウォルト・ディズニーが行っている監査が参考になるでしょう。
メラニン混入のミルク事件からは、利益を最優先する企業では、利益のためにこうした事件が起こること。
企業というよりも経営者と言った方がよいかもしれません。
中国企業は、経営者の考え方や方針次第で会社の行動が決まってしまいます。
取引する際には、経営者の考え方や方針を確かめることが必要だと学んだはずです。
さらに言えば、財務状況も確認することです。利益が少なければ、それを大きくするために今回のような事件につながる可能性があるということです。
大変厳しい内容ですが、直接人の口に入る食品を扱っているのであれば、生産委託先にどこまで関与するのかを今一度考える必要があると思います。
中国では、このようなことは起こり得るという前提で取引をする。そして、そうしたことを起こさせないようにチェックしていくことが、食品を取り扱っている企業の責任ではないでしょうか。
中国企業や中国人を信頼する、信頼関係を築く。
これは素晴らしいことであり問題ありません。
しかし、中国で仕事をするには「信頼してもチェックは怠らない」。これが大事なことではないでしょうか。