中国食品工場問題・組織的偽装を見抜けるか?!

中国食品工場問題・組織的偽装を見抜けるか?!

中国食品工場の問題は、

・期限が過ぎた食材(材料)を恒常的に使用していたこと
・加工中に床などに落ちた食材を元に戻して使用していたこと

この2つがありましたが最も大きな問題は、
これらを会社ぐるみで行っていたことです。

食材の賞味期限問題では、
マックやファミマなど顧客工場監査の際には期限の切れた食材は使わない、隠すなどしていたと報道されていました。

従業員へのインタビュー報道では、
「これが顧客にばれたら取引は停止になる」と答えています。
従業員もわかってやっていたので、
顧客が来たときにばれないように偽装をしていたのです。

このように従業員も含めて会社ぐるみでやっている
組織的な偽装を1日や2日の工場監査で見抜くことは出来るでしょうか。
結論から言うと難しいでしょう。

難しい理由は、監査する側の顧客が
会社ぐるみでこうした偽装をやっているとは考えていないからです。
賞味期限は守るという前提で、管理はきちんとしているのか、
管理に漏れはないかという視点で監査をしても、
対象の食材を隠されたら見つけることは困難です。

仮に1つ2つ賞味期限切れの食材を偶然発見したとしても
「管理が不十分でした」「廃棄するものを区分していませんでした」
などと言い訳をされ、それに対する是正処置を求めて終わりです。
監査する側も指摘する項目を見つけたことで面目を保って社に戻れます。

では、どうすれば見つけることができるのでしょうか?
先ずは、中国工場ではどんなことも起こり得るという前提で臨むことです。
1日2日の監査で無理なら、長い期間滞在することです。
一番よいのは、生産委託先工場に自社社員を駐在させることです。
駐在が無理なら、巡回監査員として複数の工場を各1ヶ月程度滞在させることです。
食品を扱うなら、しかもメインの取引先なら、真剣に検討すべきではないでしょうか。

監査員が長期滞在すれば、その期間中偽装をずっと隠しておくことは難しく、
何らかボロが出て、そこから闇の部分を見つけることが出来るはずです。

 

出典:中国食品工場問題・組織的偽装を見抜けるか?!


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/