中国生産委託先との取引・どこかで見切りが必要!!
中国生産委託先の選定はどこの会社も
慎重に行っていることでしょう。
品質はもちろん重視していますが、
コストという要素も外せません。
コストありきで生産委託先を選定して、
あとから品質を何とかしよう、
何とかなるだろうと考えている日系企業もあります。
後付けで品質をよくしようと言う場合、
それが出来る見込みがあって然るべきです。
それがなく何とかなるだろうでは、
後で苦労するのは目に見えています。
もっと言えば購買担当者が地獄を見ることになるでしょう。
中にはコストを優先、品質はそこそこの中国企業を選んで、
思いのほかうまくいくこともあります。
中国企業に生産委託するのは、
コストを取りに行っているのですから、
コスト優先と言う選択があっても当然かもしれません。
しかし、こちらが許容できるそこそこの品質がずっと続く
保証はありません。
例えば、そこそこの品質が確保できていた要因が
人にあるとすれば、それは要注意です。
中国企業では、どんなに重要なポジションの人であっても、
いつ辞めてもおかしくないからです。
ある日系企業が生産委託をしていた中国企業は、
まさに前述の状態でした。
コストの安さで選定したが、
品質はそこそこで重大な不良の発生もなく
許容できる範囲でした。
その品質を支えていたのが、生産部の部長でした。
その人が常に陣頭指揮をとり、
重大な不良の発生を未然に防ぎ、
流出を止める手立てを取ってくれていました。
その重要なキーマンが会社を辞めました。
ご想像の通り、それ以降のその中国生産委託先の品質は、
だんだん悪くなってきました。
わたしがその工場を見たときは、
「どうしてこんなところで作らせているのだろう?」
と疑問に思う程の管理レベルでした。
その会社の品質は、その生産部長が支えていた訳で、
会社としての仕組みとかシステムで品質を確保していた
訳ではありませんでした。
従って、その人がいなくなれば、
その人がやらせていた関所の役割がだんだんゆるくなり、
やがてはなくなってしまうのです。
品質がよい中国生産委託先でも状況をよく把握して、
品質がよい理由を掴んでおくことが大事です。
品質がよい理由がなくなったとしたら、要注意です。
中国生産委託先で何が起きるかは、予測がつきません。
何かあればそことの取引を止めることが出来る状況を作っておくことが重要かつ必要です。
常に次の取引先を確保しておくことです。
中国企業との取引は、1度始めたら永遠ではありません。
よい取引先であれば、長く付き合えばよいでしょう。
しかし、こちらの要求を満たせなくなった企業をいつまでも引きずることはないのです。