中国沿岸部は労働力不足100万人!?(その4)
前回は、中国工場の福利厚生の衣食住について書きました。
次に考えるべきことは従業員の満足度を高めることです。
満足度とは何か? と聞かれたらわたしは「従業員の仕事に対する充足度」であると答えます。充足度とは、従業員それぞれが自分のやっている仕事の意味を理解することです。
自分のやっている仕事の意味とは、自分のやっている仕事が、作っているその製品や商品にとって重要な役割があることを認識することです。
自分のやっている仕事が重要な役割を果していることを認識してもらうようにします。
どうやって認識してもらうか、わたしはこんな方法でやっています。
自分がルールを守らなかったり、いい加減な仕事をしたときに後工程にどんな迷惑をかけるか。そして、製品や商品にどんな影響を与えてしまうことになるか。
これを作業者や検査員に問いかけます。
さらに、もし不良品を出してしまったとき、不良品を買った人がどんな気持ちになるかを考えてもらいます。
作業者1人1人の作業には、ひとつとしていい加減にやっていい作業はないことを知ってもらうようにします。
ただ機械の代わりに作業をやらされているというのではこうした意識は芽生えません。この意識を持ってもらうことが大切です。
他には従業員の意欲を満たすことも大事ですね。何かといえば学習意欲です。
作業者クラスでも強い向上心を持っている人はいます。そういう人たちを大事にするためにも向上心に応えるようにできるといいですね。
中国で従業員教育をして嬉しいと感じるのは、教えたことを理解してできた時にとても嬉しそうな顔をする人を見たときです。
自分が知らなかったことを知る、できなかったことができるようになる。これは本人たちにとってとても意味のあることだと思います。
なかなか自分から積極的に勉強することは少ないだろうから、学習の機会を会社が用意してあげることが必要かつ有効と考えています。