中国沿岸部は労働力不足100万人!?
少し前の記事で恐縮だが、『フジサンケイ・ビジネスアイ』に標題のような記事が載っていた。
内容は、春節明けに珠江デルタ(広東省)では、労働者100万人が不足するというものだ。以下に簡単に記事の内容を紹介する。
以前から春節は人の入れ替わりの多い時期であったが、昨年広東省では春節明けに内陸部出身の出稼ぎ労働者が1割減少した。今年はそれを上回る減少が見込まれている。
もともと沿岸部の労働力は内陸部からの出稼ぎの人たちが豊富な労働力を支えていた。このような農村部から都市部への人の流れ込みを「盲流」とか「民工潮」といって表現していた。
この流れに変化が生じているわけだが、その背景の一つに内陸部の活性化がある。
特に昨年は例の富士康(フォックスコン)で相次いだ従業員の自殺事件を機に労働賃金の上昇が沿岸部を中心に加速し、企業の内陸部移転を後押しした。
内需拡大の政策支援も追い風となって地方の発展に弾みがつき、沿岸部との賃金格差が一段と縮まった。
この記事によれば、沿岸部と内陸部での賃金格差は月額で200元〜400元にまで縮まっているとのこと。賃金格差は縮まっているだろうと感じていたがこうやって具体的な数値・金額を出されると考え込んでしまう。
記事にもあったが、この金額では帰省の費用や沿岸部の物価を考えると出稼ぎにくる金銭的メリットは感じられない。
家族と地元で一緒に居られるというのも大きなポイントだ。記事では「中国の廉価な労働力の時代は終結した」とまで書いてある。
※2011年10月17日に書かれた記事です。