中国工場管理者教育で感じたこと!!

中国工場管理者教育で感じたこと!!

中国工場を継続的に指導・支援するときは、指導の中に工場管理者への教育も含まれています。

この場合の工場管理者とは、生産現場の科長と組長、生産技術エンジニア、品管部科長と検査員を指しています。これらの人たちに対して、毎回の訪問時に教育を行っています。

教育をする目的は、これらの人たちに品質管理の基礎知識を修得してもらうことと、管理者・検査員としての仕事に対する意識を高めることです。

工場の品質は、生産現場を管理する科長や組長(班長)さんたちが支えており、彼ら彼女らがQCDを支えるキーパーソンですから、そのレベルが工場のレベルになると考えています。

その教育では、毎回冒頭に前回の内容に関するテストを実施しています。テストがあるということで参加者の多くは、一生懸命ノートを取ってくれます。やる側として、とてもうれしいことです。

教育を実施して感じたのは、管理者や検査員たちの多くは、きちんと系統だった教育を受けたことがないということです。日系の工場で働いた経験のある人は、品質教育を受けたことがある割合が比較的高いようです。しかし、中国企業から転職してきた人の多くは教育を受けた経験はないようです。

もうひとつ感じたことは、言葉は知っていてもその中身や本当のところまでは理解していないということです。例えば、「記録を付けるのには、いくつか理由がありますので、その理由を書いてください」という問題を出すと、書くことが出来る人の方が少ないですね。

記録を付けることは必要だというのは、なんとなくわかっていても、その理由まできちんと説明できる人は多くありませんでした。

テストをやってみると、しっかり覚えてくれた人とそうでない人がいることもわかりました。やる前から「1回の教育だけで身に付くのは難しい」ことはわかっていましたが、それが実証された形となりました。

中国工場の場合、何事も一足飛びにはよくなりませんので、一歩一歩前進できるように継続することが大事だと、自分自身に言い聞かせています。

 

出典:中国工場管理者教育で感じたこと!!


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/