中国工場・洗浄機の設定温度管理不備!!

中国工場・洗浄機の設定温度管理不備!!

前回は、ある日系中国工場の洗浄機の洗浄液補充がしっかり出来ていたというところまで書きました。

その後、日本人駐在員との打ち合わせの席で、「洗浄機の洗浄液は割と減るものなのですね」と言うと、設備担当の日本人駐在員から「どういうことですか」と聞かれたので、確認した補充記録から補充頻度の状況を話しました。

すると彼は、「それはおかしい、そんなに液が減る訳がない」と言い残して現場に確認に行きました。

しばらくして帰ってくると「洗浄機の温度が規定よりも高く設定されていた。あれじゃ、洗浄液がどんどん蒸発してしまう」と怒っていました。

後で聞いたのですが適切な温度設定としたところ、洗浄液の補充頻度は、半分程度になったとのことでした。
洗浄液は安くはありませんから、その費用はバカになりません。

洗浄機の設定温度の確認もメンテナンスの一種と言えるでしょう。

なぜこのような設定温度の違いが長い間起きていたのか?
それはその確認を怠っていたからに他なりません。

まずひとつ、温度設定自体を担当者が知っていたかどうか。
設定することを知らなければ、確認などするわけがありません。

そして、温度設定によってどのような影響があるのかをわかっていたか。
それを理解していなければ、温度など何度でもよくなってしまいます。

洗浄液の補充頻度も長い間毎日行っていたので、それが普通、当たり前になってしまっていたのです。
つまり、日本人駐在員が補充頻度に覚えた違和感を覚えることはないのです。

日本人駐在員はいますが、彼はそんな細かいことまでは見ていません。
その確認は、現場の責任者や洗浄機の担当者が行うことになっています。
つまり、そこに日本人はタッチしていないのです。

このようなパターンは日系工場ではよくあるのではないでしょうか。

ですから、日系工場だからと言って、メンテナンスや設備の条件設定が問題なくできている、守られていると考えるのは少々危険なのです。

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/