中国工場・新任総経理の憂鬱!!
日本経済の右肩上がりの時代はとうに終わっているので、今後日本という国や企業が発展するには海外市場に活路を開く必要があるのは、言を俟ちません。
昨年までの超円高により生産の海外移転を進めていた企業も多いようです。
移転先はここのところの政治的問題からチャイナリスクを避けて中国以外に工場を立ち上げる企業も増えています。
しかし、このような状況でも中国に工場進出する企業も依然としてあります。
既に中国に生産を移管済みの企業、特に古くから中国生産をしている企業では、中国での生産量が右肩上がりではなくなり、横ばいか微増というところも少なくありません。
今回は、そんな中国生産量が横ばいとなったある日系企業中国工場に新しく総経理となった人の話をします。
そのメーカーは早くから中国に工場進出をしており、中国内にいくつかの工場を持っていて、その内のひとつの工場での話です。
その工場の新しく総経理となった人とは懇意にさせてもらっています。
その方は、その工場の技術責任者から総経理になりました。
ところが、その人が総経理になったときの工場は、中国内グループ工場の中で「一番悪い=Worst1」になってしまっていたのです。コスト、品質、納期のすべてでどのグループ工場よりも悪くなっていました。
大変な時期に総経理に就任したので、どうしたものかと悩み憂鬱な気持ちだったそうです。
しかし、このようなワースト1になってしまった責任の一端は自分にもあると考え、「何とかよい方向に持っていく」と決意しました。
日本の本社がその人を総経理にしたのは、現状からの立て直しを図ってくれると期待したに他ならない訳で、その期待に応えたいと強く思いました。
今まで技術畑をずっと歩んできたので工場経営と言う部分では自信がなかったので総経理就任後、経営の勉強を必死にしました。
その甲斐もあって経営というものの感覚がわかってきたと言えるくらいにまでなりました。
ただ経営の感覚がわかってきてもワースト1という状況は変わりません。
次回は、その人がやった工場立て直し戦術の話を書く予定です。