中国工場・外注先からの直接出荷に不安-その対策は??
現在ある中国企業の品質管理・改善指導をしています。
その企業は、
建築関係の組立ユニットの設計及び部品を生産しています。
それを顧客が組立てて使用しますが、
顧客の組立ての手間や工数を減らすために
中国工場で最低限の仮組立てを行い出荷しています。
組立に使用する部品のすべてを自社で生産している
訳ではありません。
材質やものによっては外注を使っています。
自社工場でさらに加工し仮組立てする部品は、
当然のことながら外注先から自社工場に納入されます。
自社工場で加工や組立など手を加えない比較的大きな部品は
外注から直接港のフォワーダーに出荷させています。
物流の手間と費用を考えれば当然です。
フォワーダーのところで、
自社部品と一緒に仕向け先(顧客)に輸送しています。
商流の面では合理的な方法ですが、問題は品質です。
自社工場を通らないので受入検査などでの
品質チェックが出来ません。
現に、外注部品の不良による顧客クレームが年間を通して
何件か発生している状態です。
外注から直接出荷される部品の品質を
いかにして確保するかが問題です。
考え方としては、
常々言っているように不良の発生を防止することと、
不良の流出を防止することに分けて取り組むのがポイントです。
不良の流出を防ぐという面でこの中国企業が実施しているのは、自社検査員の派遣です。
自社に納入されないのであれば、外注に検査員を行かせて、
そこで検査を行うようにしています。
外注での出荷検査(発注側から見れば受入検査に相当)を
確実かつ適切に行うことは有効な対応です。
しかし、100%検査(全数検査)できる訳ではないので、
発生した不良を確実に掴むために、
どこでどのような検査を行うか、検査の組立が重要です。
残念ながら、まだそこが十分ではありません。
もうひとつ問題があります。
それは、検査員を派遣すると、
外注がその派遣した検査員の検査に頼ってしまうことです。
外注は自社の検査が不十分でも、
発注元の検査員が検査をしてくれると甘えてしまい、
一向に検査の信頼性が高まらないのです。
指導先の中国工場の品質改善では成果が出てきているので、
先方から外注先の指導を一緒にやって欲しいとの要望があり、今後取り組む予定です。
中国企業もその仕入先中国企業の品質問題で困っているのです。