中国国営企業・設備は立派でも人による作業は??
中国製造業のある大企業を訪問する機会がありました。
聞くとその企業はまだ民営化されておらず現在もまだ国営企業として企業活動を行っていました。
その企業のある街は、企業城下町といってよく、従業員やその家族の暮らす生活区があり、そこには幼稚園、学校、病院まであります。
また、近くには大きな川が流れていますが、企業近くの橋は、その企業が作ったそうです。
この企業は金属材料及びその加工品を生産しています。
金属材料の生産では原料から一貫生産しています。
その設備はほぼ自動化されており、管理もすべてコンピューターで管理しています。
材料ですからその成分・組成が重要管理項目になります。
これについても対応した試験機があり、きちんと検査管理されていました。
材料生産が前工程とすると、材料を製品形状にする成型そして加工が後工程になります。
成型もその管理はコンピューターで自動化されています。
しかし、加工工程の自動化はされておらず作業者が生産の担い手です。
要するに加工工程は、その辺にある中国工場と同じで人が管理して人が作業しているということです。
この企業が材料を販売しているかどうかは確認しませんでしたが、材料販売をしていた場合、恐らく問題なく出来ているでしょう。しかし、加工品においてはそうはなっていませんでした。
それは、人が作業する部分において、その管理が十分とは言えないからです。
作業をいい加減にやっているようには見えませんでしたが、不良を出さないような作り方になっているか?
不良を漏れなく検出できる検査の組立をしているか?
この観点で作業や工程管理を見るとまだまだ不十分でした。
例えば加工寸法の工程検査の頻度の設定において、加工方法から勘案して決める必要があります。
加工ごとに寸法が狂う可能性があるならば、加工ごとに寸法検査をする必要があります。
このような考え方をすることなく、ただ1時間に1回検査を実施する。
不良によるクレームが出たら、検査頻度を30分に1回に増やすという対応していました。
品質保証をするためにどのような検査をすればよいのかという部分が欠けているのです。
倉庫もバーコードとコンピューターで管理しており、出し入れも自動化しており人が作業することはありません。
しかし、その前の梱包作業には問題があり梱包作業による傷が多発していました。
これなどは作業者の意識による問題です。
設備の自動化やコンピューター管理をしている工場で、その部分だけを見てすごい問題ないと判断していけません。
人が作業をする部分は必ずあり、管理や作業者の意識がどうかを見なければなりません。