中国取引先との関係はどのように築く??
中国工場・品質管理セミナーには、中国の自社工場をお持ちの方だけでなく、中国生産委託先の品質で苦労されている方も多数参加していただきました。
自社工場を持つと言うことは本当に大変なことです。
工場を立ち上げて生産を始める。
当然中国人の労務管理をしなくてはなりません。
食堂や宿舎などの福利厚生も疎かには出来ません。
ただ、自社の工場なので品質を含めた問題点への対策は、自分たちで主導してできます。
対策・改善策は自分たちで決めて、自分たちで進めることができます。
一方、取引先の場合は、それら問題点への対策・改善策を指摘することは出来ますが、先方に実施してもらわなくてはなりません。
ここが自社と取引先の改善を進めるときの大きな違いです。
多くの日系企業が苦労しているのが、取引先の品質改善が進まないことです。
こちらがお願いしたこと、要求した事を実施してくれないことです。
わたしも駐在員時代は、そのことが最大の悩みであり課題でした。
わたしのいた会社は生産数が多かったので、部品1点あたりの購入数量もそれなりの数量がありました。
当然のように数量を背景としたバイイングパワーで先方にこちらの言うことをきかせるやり方をやっていました。
それが有効な場合ももちろんありましたが、日系企業相手の場合に比べるとそれ程の威力にはなりませんでした。
購入数量の多くない部品もありました。
それらの購入先に対しては購入数量をバックにした力技はできません。
セミナーの参加者からも、購入数量は多くないけど中国メーカーに作ってもらわないとならない。
どうすればよいのかとの話もありました。
中国企業と付き合う時の考え方のひとつは次のことです。
先方の担当者やその上司と個人的な人間関係を作ることが大事であり必要なことです。
そのためには接触頻度を上げることも必要ですね。
セミナーの中では、中国人の気質についても少し話をさせてもらっています。
中国の人は、会社であっても個人的なつながりで仕事を進めるところがあります。
ですので、先方の人と個人的なつながりを持つ、信頼関係を築くことが出来ると、そういった関係がない場合に比べ、対応などに違いがでてくると考えて間違いありません。
わたしも最初の頃は、人間関係の部分にはほとんど気を遣っていませんでした。
数量を背景とした交渉ばかりでした。
もっと早くこのことの重要さに気が付けば、もう少し楽に、しかももっと成果を出せたのではないかと反省しています。
1月23日に開催する中国調達セミナーでは、中国企業と付き合う際のより有効な方法が聞けるのではないかと期待しています。