中国企業・昔は重要顧客でも今は??
中国生産委託先との信頼関係いや力関係と
言った方がよいかもしれませんが、
発注量が多かったときと少なくなった今でも変わらず、
よい関係が築けていると思い込んでいた日系企業。
実は違っていたという事例です。
ある中国企業A社では、
一時期日系B社の仕事が全体の5割6割を占めており、
工場経営を支える重要な顧客でした。
しかし、B社の数量が段々減っていき、
1割にも満たないくらいになりました。
よくあるパターンではないでしょうか。
減った分の仕事は、
自分たちで頑張って取った他社の仕事でカバーしました。
今では、それが全体の8割を占めるようになりました。
しかも、その顧客は中国企業で中国内向けの製品でした。
この中国企業で中国内向け製品というのがポイントです。
どういうことかと言いますと、
要求が厳しくない、且つ、うるさいことを言わないお客さんなのです。
B社の仕事はA社の中では数は少ないが、
要求は厳しく、且つ、細かいことにうるさいという位置付けになっているのです。
もちろん建前上、B社を無碍に扱うことはしていません。
しかし、B社要求を受け入れなくなってきているのは事実です。
品質問題も以前より増えているのですが、その改善対応はほとんど実施されません。
A社のトップもB社担当者に対して、表面上はにこやかに「いつもありがとう」と対応しています。
金がかかるような対応の依頼に対しても直接的な拒否はせず、のらりくらりの回答でごまかしています。
本音は、金のかかるような改善対応をする気はまったくないのです。
もらっている注文でも少しは売り上げの足しになるので対応していました。
そのような状況の中、B社向けのある製品で品質問題に起因する返品、損害賠償の話が持ち上がりました。
A社は要求をされたらどうするか?腹は固まっていました。
要求を受けるつもりはありませんでした。
A社の本音は、それでB社との取引がなくなっても構わないと考えていたのです。
A社のトップにとって重要なのは、その時点でたくさん注文をくれるお客さんだけなのです。
B社は、数は減ってもA社との関係は変わっていないと思っていたようでした。
A社にとっての位置付けをよく考えて、
関係が変化していることに気が付かなくてはいけませんでした。
中国企業がみんなA社のようだと限りませんが、
このような傾向にあるのも間違いないでしょう。
B社は、A社とは長い時間付き合っているのですから、
もっと会社の状況や考え方を掴んでおくことが出来たはずです。