中国企業はよい品質のものを見たことがない?!
中国企業(メーカー)の品質がよくない理由はいろいろありますが、最近痛感しているのは、顧客が求めている品質がどういうものなのかを知らないことが最大の理由ではないかということです。
つまり自分たちが作っているものよりもよいものを見たことがない、その存在を知らないということです。もっとよい品質のものが欲しいと、いくらこちらから要求しても、よい品質がどういうものかを知らなければ、そういうものが存在していることを知らなければ、作ることはできません。
実際に中国企業の現場の責任者に「大事なことは何か?」と質問すると、10人中9人は品質が大事だと言います。上層部からも顧客からも品質、品質と言われているので、それが大事だという認識は持っているのです。
しかし、実際の製品の品質は、一向によくなりません。理由は、前述したようによい品質とはどういうものかを知らないからです。
中国企業の現場の人たちも、自分たちが作った製品の品質が最高のものだとは思っていないようですが、悪いとも思っていないのです。
日系の中国工場であれば、目指す品質は日本人がわかっていますし、よいものを中国人スタッフ見せることも簡単にできます。しかし、中国企業の場合、作るものによってはそれが簡単ではないのです。目指すべきよい品質のものを見ることが出来るとは限らないのです。
この点を取引している日本企業は理解しておく必要があるのではないでしょうか。日本企業が頭で描いているよい品質の状態や製品を見せるなどして中国企業に理解してもらわなくてはなりません。それがスタート地点と言えます。
例えば、溶接作業では、中国人同士で優劣をつけることはできます。でも、もしかしたら中国工場の優秀な溶接工は、日本人溶接工と比べたら最低限のレベルということもあり得ます。
本当に腕の良い溶接工が溶接したものを見たことがなければ、それに近づくことはできません。
「知らないことはできない」これは、中国企業や中国人と仕事をするときに頭に入れておくべき言葉です。
「知らないことでも勉強してできるようになる」こんな企業ばっかりだったら苦労はしないですね。