中国人・クレームはお店のレベルで変えている?!

中国人・クレームはお店のレベルで変えている?!

今回は少し毛色を変えて中国人のサービスに対する意識について、
以前あるセミナーで聞いた
中国の飲食店での態度やクレームを例として取り上げて考えてみたいと思います。

一口に飲食店といっても中国ローカルのお店から
日本食を含めた外国料理のお店までいろいろあります。

また、中国ローカルと言っても道に並んでいる小さなお店から
ホテルの中にある中華のお店までこれも様々です。

私も駐在員時代は、宿舎の裏にあった東北餃子のお店によく食べに行きました。
当時、12元で餃子が20個くらい出てきて、
これと揚州炒飯をオーダーするとお腹がいっぱいになりました。
ビールを飲んでも青島ビールが1本5元だったので、25元あれば十分でした。

そのお店はきれいでもなく汚くもなく、潔癖症の人でなければ問題なく入れるところでした。
服務員の態度も特に問題ありませんでした。

ただ、中国ローカルの飲食店では、
やはりまだまだ服務員の態度やマナーがよくないお店が少なくありません。

服務員にサービスという意識がないのですね。

これはその服務員がサービスというものを受けたことがないので、
自分がお客にサービスをするということができなのです。
それが当たり前として育ってきているのです。

経営者もそのような意識がないので、
お客への接し方など服務員を教育するということがありません。

中国人がこうしたローカルの飲食店に行ったときに、
服務員の態度やマナーが悪くても文句は言いません。
クレームをつけることはないのです。

一方、日本食屋にいくと服務員の態度やマナーは中国ローカルの飲食店とは違います。
購買力がついてきた中国人は、日本食屋に行く機会も増えてきました。
そこで日本に近いサービスを経験する訳です。

ではこうした日本に近いサービスを経験した中国人が中国ローカルのお店に行ったときに
服務員の態度やマナーが悪いことに文句をつけるかといえば、やはりつけません。
中国人も価格相応であることを理解しているのです。

逆に、価格の高い日本食屋に行ったときは、
服務員のちょっとしたマナーの悪さにすぐにクレームをつけるそうです。
価格にふさわしいサービスを求めているということです。

お店の格に合わせたサービスを求めて、それと違った時はクレームをつける。
しっかり区分して使い分けているのですね。

今回は、飲食店を例として取り上げましたが、
これって工業製品でも同じことが言えるのではないでしょうか。

価格の安い中国製では文句も言わずに使うが、
価格が高く品質もよいと言われている日本企業の製品には、
ちょっとしたことでもクレームをつけることにつながっています。

 

出典:中国人・クレームはお店のレベルで変えている?!


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/