中国人の採用面接は難しい?!
ある中国企業が新しく工場を建設するのに伴い体制強化を図るために、工場主要部門の責任者を募集しました。その応募してきた人の採用面接をやる機会がありました。
募集するにあたって人材に求める要件は事前に擦り合わせをして決めていました。その求める要件に近い人が応募してきたので、実際に会ってみることになったのです。
面接でその人のすべてを理解する、実力を図るのは正直難しいと思います。まして中国人は、面接で何でもできると言います。それでも少しでもその人の本質に迫れるような質問を事前に考えて本番に臨みました。
今回会ったのは品管部長の候補者で、年齢的には30代半ばでした。大学を卒業後、大手日系メーカーの品質部門で約8年勤務。その後規模の小さい日系メーカーで4年勤務。そして現在の勤務先に移っていました。
彼の履歴で疑問に思ったのは、現在の勤務先への転職では給料が下がっていたことです。その理由を尋ねました。
彼が言うには、現在の勤務先はISOの認証機関で、そこで審査員の資格を取ることが転職の目的だったので、一時給料が下がるのは仕方がないと思った。資格は取ったから次の転職を考えたとのこと。
話をしていて感じたのは、品質管理畑の仕事をずっとやってきているので、品質管理に関する知識を持っているのはわかりましたが、頭でっかちで自分の手を動かして改善していくことはしないのではないかという懸念を持ちました。審査機関にいたこともその懸念を大きくしました。
この会社の工場は、品管部門が整備されてなく一から作る必要があること。検査員のレベルが低く教育が必要だから、あなたが教育する必要があること。
そして、検査に必要な標準書類も不十分なので、当初はそれらを品管部長が作らなければならないこともあることを話して、これらをやってくれますか?と聞きました。
要するに、指示するだけではなく自分自身が手を動かしてやる必要があり大変ですよ。それをやる覚悟があるかどうかを確かめたかったのです。
それに対して彼は、やってもよいと答えてくれました。