不良品が0%であることを証明することはできるか?
こんにちは。
品質保証部のたまごです。
突然ですが、みなさんは、悪魔の存在を信じますか?
……いえいえ、わたしの頭がおかしくなったわけでも、危ない話をしようとしているわけでもありませんよ!
ちゃんと品質保証の話です。笑
おかしな導入ですが、すこしこの話にお付き合いいただけますと幸いです。
このブログを見ている方々のほとんどは、悪魔はこの世に存在しないと思っている方が多いのではないかと思います。
また、わたしもその一人です。
ですが、みなさんは、悪魔がこの世に存在しないことを証明することはできますか? もし証明するとしたら、どのようにやりますか?
……答えは、「全人類を調べて悪魔じゃないことを確かめる」です。
しかし、実際にそんなことはできませんね。
一生をかけても不可能です。
こういった、「ある事実が全く存在しないことを証明する」というような、解決が困難な問いかけのことを、「悪魔の証明」と名付けられています。
(調べると、もっとわかりやすい例が沢山ありますので検索してみてください。)
……では、「製品の中に不良品が全くない」ことを証明するにはどうすればいいでしょうか?
製品を、全数検査するしかありません。
では、「全数検査にミスがない」ことを証明するにはどうすれば?
検査が毎回ちゃんと行われているか全てチェックするしかありません。
では、「すべてのチェックにミスがない」ことを証明するには?
では、「お客様に弊社がミスを起こさない会社だ」と証明するには?
……どれも、100%は不可能です。
例えすべて機械化したとしても、「機械がミスを起こさない」ことを証明することはできません。
もしこのような悪魔の証明ができたなら、100%の確率で良品をお客様にお届けすることができ、理想の製造業になるでしょう!
そうなれば、もはや品質保証部は必要なくなります。まじめに。笑
……私の仕事のほとんどは、悪魔(不良品)が生まれないことを保証できるようににして、最終的には品質保証部が無くてもいいようにする仕事だと思っています。
つまり、「そもそも悪魔(不良品)が生まれないような工場づくり」というのが、本当のゴールです。
すごくハードルが高いです。
ですが、大中小かかわらず、すべてのメーカーは悪魔の証明をすることができないので、
不良品を生まないことを目指して、統計学、技術力、標準化…などをこねくり回して日々努力しています。
実は、これを読んでいるみなさんの周りの、パソコンやスマホ、ペン、コード、テーブル、お昼ご飯、通勤の車……全ての製品の裏側に、実は、私のような悪魔ハンター(?)がいるのです。
もしあなたがお手持ちの製品に不良品を見つけたら、ぜひぜひ、メーカーへ詳細を!
他の不良品を見つけ、改善するためのヒントとなると思います。
品質保証部 たまご