不良は検査で発見したのに?!
これまで何回も中国工場の品質管理では、工場のレベルによって取組むべき課題が違うと言ってきました。
その中で強調してきたのは、中国工場の品質管理で最初に取組むべき課題は、不良品の流出防止だと言うことでした。
特に生産数量が多い製品・部品では、不良の流出防止を徹底することが自工場の品質レベルを上げることに直結します。これは、管理レベルの低い中国企業だけでなく、日系中国工場にも言えることです。
今回は、わたしの駐在員時代に起きた事例を紹介します。
ある主要部品に不良が発生したと工場から連絡がありました。そのベンダーは、その部品では日本有数の会社の中国工場でした。
不良内容は、寸法不良でした。ある部分の寸法がマイナスしていました。
さっそくベンダーを呼んで、発生状況の説明と不良サンプルを渡し対応を求めました。翌日には、不具合の発生原因を突き止め、たちまちの対応についての報告がありました。
ここまではさすが、この部品のTOPメーカーさん。分析力があるな!と思ったのでした。
ところが、この不良品、ベンダーの社内検査で発見されていたことが、併せて報告されました。
このメーカーさん社内で同じ不良をちゃんと検出していた。それにも関わらず顧客である我々に納入してしまったのです。不良品を発見した時の処置、対応に問題があったのです。