ムダの機械化には十分注意が必要!!

ムダの機械化には十分注意が必要!!

前回は、ある会社が中国の人件費高騰を乗り切る対策として、生産工程の機械化に舵を切る、その進め方の相談があったということを書きました。

その会社の生産の特徴としてあったのは、生産ロットが小さいということでした。

つまり、典型的な多品種少量生産をしている工場なのです。こうした場合、自動化は特に慎重に進めなくてはなりません。

単純に機械を入れればよいということではありません。

中国では人と機械とのバランスをうまく取って、生産の変動や切り替えに柔軟に対応できるようにすることが大事です。

 

工程の状況をヒアリングしたところ、現状の生産工程にいろいろなムダが潜んでいると思われることがわかりました。

そのことから現時点で自動化を進めるのは時期早尚とお伝えし、先ずは、現状でのムダ取りを行い、それによって省人化して効率化することに取組むべきとしました。

実際に現場を見た訳ではありませんので推測にすぎませんが、正直現場を見ればもっと効率化のネタが見つかることでしょう。

現状工程の見直し、ムダ取りをすることでこの会社が自動化で考えていた程度の生産性アップは達成できると考えました。

 

他の日系中国工場でも人件費高騰の影響を抑えるために機械化を進めているところも少なくありません。

もちろん、見事に目的を達成している工場もあります。逆に、機械化しても人が減っていない工場もあります。

ムダがある工程を機械化するとそのムダを機械化することになってしまいます。

そうなるとそのムダは永遠に取れません。この点は、肝に銘じてください。

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/