ムダの機械化には十分注意が必要!!
前回は、ある会社が中国の人件費高騰を乗り切る対策として、生産工程の機械化に舵を切る、その進め方の相談があったということを書きました。
その会社の生産の特徴としてあったのは、生産ロットが小さいということでした。
つまり、典型的な多品種少量生産をしている工場なのです。こうした場合、自動化は特に慎重に進めなくてはなりません。
単純に機械を入れればよいということではありません。
中国では人と機械とのバランスをうまく取って、生産の変動や切り替えに柔軟に対応できるようにすることが大事です。
工程の状況をヒアリングしたところ、現状の生産工程にいろいろなムダが潜んでいると思われることがわかりました。
そのことから現時点で自動化を進めるのは時期早尚とお伝えし、先ずは、現状でのムダ取りを行い、それによって省人化して効率化することに取組むべきとしました。
実際に現場を見た訳ではありませんので推測にすぎませんが、正直現場を見ればもっと効率化のネタが見つかることでしょう。
現状工程の見直し、ムダ取りをすることでこの会社が自動化で考えていた程度の生産性アップは達成できると考えました。
他の日系中国工場でも人件費高騰の影響を抑えるために機械化を進めているところも少なくありません。
もちろん、見事に目的を達成している工場もあります。逆に、機械化しても人が減っていない工場もあります。
ムダがある工程を機械化するとそのムダを機械化することになってしまいます。
そうなるとそのムダは永遠に取れません。この点は、肝に銘じてください。