ブレードダイシング加工とは

ブレードダイシング加工とは

今回は業界内で後工程に属するダイシング加工についてお話させていただきます。
ダイシングブレードを使用した切削加工となります。

 
 

1. そもそもダイシングって?

モノを加工する手段の一つとして、ダイシング加工という方法があります。
ダイシング(Dicing)とは、Dice(サイコロ状)へ加工していくという事です。
ダイシング方法には、ブレードダイシング、ステルスダイシング、超音波ダイシング、レーザーダイシング等も加工方法にはありますが、
今回はブレードダイシングをメインにお話させて頂きます。

dice

 

2. ブレードダイシングとは??

ブレードダイシングとは、専用ブレード(ダイヤ砥粒の入った刃)を使用して焼結材等を加工する方法。
切削加工と呼ばれ、加工物を削り取る方法で加工をおこないます。
ブレード種類も多種多様にあります。

■各ブレードの種類と特徴として

・レジンブレード:樹脂系ボンドタイプ、弾力性があり、仕上がりが綺麗に汎用性が高いタイプ
・メタルブレード:金属系ボンドタイプ、剛性が高く高負荷加工向け、切れ味がいいタイプ
・ビトリファイド:長石フリットボンドタイプ、剛性が非常に高く、高精度加工向けタイプ
・その他:メタル×ビトリファイドのハイブリッド系ブレードもあります

jewelry

 

3. ブレードダイシング加工時の重要な要素

ブレードダイシングする上で重要な役割を果たすのがブレードと加工条件になります。
ブレード選定に於いて、重要なポイントは、品種・粒径・集中度の選定となります。

・品種(レジン・メタル系・ビトリファイド)
ブレード種類を加工時の品質に応じて選定していきます。

・粒径(ダイヤモンド砥粒の大きさ)
ダイヤ砥粒サイズには、#80~#4000と幅広くあります。
目安として一粒のダイヤの大きさは、#400 = 30um、#2000 = 4um程度と言われています。

・集中度(ダイヤモンド砥粒の量)
ブレード内に入っているダイヤモンドの量を選定します。
集中度が高いタイプ=ブレードライフが長い
集中度が低いタイプ=ブレードライフが短い

*ブレードライフ:ブレード寿命(寿命が長いとより多くダイシング加工が出来る、短いとブレード費用が高くなる)

続いて、加工条件に関してもたくさんのファクターがあります。

・カットスピード
・ブレード回転数
・ブレード振動
・切り込み量
・切削水

これらの条件がマッチした時にいい加工ができるという事になります。

余談になりますが、何かのスポーツで表現したくなりました。

ダイシング条件を使って野球の打線で表現してみましょう。

1番 加工材料
2番 加工物の固定方法
3番 ブレード選定
4番 ブレードコンディション
5番 ブレード回転数
6番 カットスピード
7番 切り込み量
8番 ブレード振動
9番 切削水

team

これらの打線が繋がれば得点がはいる=適正な加工条件がみつかる
(9人連続ヒットが必要ですが・・・)

繋がり悪ければスリーアウトになりイニング終了となる
どうして打線が繋がらないのか、打順を変更したり、代打をだしたりして繋げていく

自己満足の世界に入ってしまいましたので、ここで一旦終了とさせて頂きます。

 

4. まとめ

今回はブレードダイシング加工についてお話させて頂きました。
近年では、加工材料も多種多様になり、加工精度も超高精度を求められる時代になってきました。
お客様のどんな要求に対しても、どんなモノでも加工が出来る技術、どんなイメージも形に出来る技術を提案できるように日々探求が続きます。


創業40年の製造業。ダイヤモンド事業からスタートしたテクダイヤは、会社本来の「人好き」が作用し、人との出会いを繰り返しながら業態変化を続ける。 現在はセラミック応用技術・精密機械加工技術・ダイヤモンド加工技術をコアとしながら先端技術のものづくりを支える。スマホやデータセンターなどの通信市場、更にはNASAやバイオ領域にも進出中。