バイオマテリアルプリンティング(3Dバイオプリンティング)
日々進化しているバイオマテリアルの世界。
テクダイヤは制度の高いノズルを製作できる「技術力」だけではなく、それを良いカタチで実現するためのソリューション「提供力」でバイオマテリアルプリンティングの未来を造ります。
①バイオマテリアルプリンティングとは
②バイオマテリアルプリンティング種類
③ウェイクフォレスト大学再生医療研究所とバイオマテリアルプリンティング
④テクダイヤとバイオマテリアルプリンティング
バイオマテリアルプリンティングとは?
バイオマテリアルプリンティングとは、3Dプリンター技術を用いた人工臓器生成のことを言います。
液体状のバイオマテリアルと患者の細胞を積み上げていくことで実現する再生医療のひとつです。
米国では毎日18人の患者が臓器移植手術待ちながら、ドナーが見つからずに亡くなっています。(2014年時点)バイオマテリアルプリンティングの広がりで、移植に必要な臓器を作れるようになり、多くの命を救うこととなるでしょう。
しかしながら、実験室で人間の臓器を印刷するという行為が、クローン同様に、人間が人間を作り出すという倫理的な問題も多く懸念されています。
それでもバイオマテリアルプリンティングは医療業界をはじめ、「近い将来、人間寿命の常識を覆すかもしれない」と世界中から注目を集めていることに変わりはありません。
3Dプリンティングは「ものづくり」業界での革命と認識されがちですが、医療分野においても革新的技術として広がりをみせることでしょう。
バイオマテリアルプリンティング種類
バイオマテリアルプリンティングの代表的な種類は2種です。
①液体を使うバイオプリント(インクジェット)
インクジェット方式のバイオプリントは、細胞を含む「インク」を液滴にし、細胞構築物を作製します。
基板表面と接触すると個々の液滴が合体し、大きな構造が形成されます。この重合を促進させるため、基質上のカルシウムイオンを「インク」中に拡散させ、固体ゲルを形成します。
液滴を用いるバイオプリントは、速度が速いため、一般的に広く使用されていますが、複雑な臓器構造には適していないと言われています。
②押し出しバイオプリント
押し出しバイオプリントは、特定の細胞株を含む「インク」を、移動式のプリントヘッドのの押し出し機から、一定の量を押し出し付着させる方法です。
こ3次元的に組織または臓器構造を構築するときに、細胞密度をより大きくすることができますが、印刷速度が遅いのが懸念点とされています。
ウェイクフォレスト大学再生医療研究所とバイオマテリアルプリンティング
ウェイクフォレスト大学再生医療研究所、通称WFIRMは、科学的発見を臨床治療に発展させる分野でのトップ研究機関です。
ウェイクフォレスト大学の研究チームは、2016年、3Dバイオプリント技術を使って、耳介を再現することに成功しました。これまで生成できた細胞はあまりにも小さく、不安定なため人間に移植できるものではありませんでした。
しかし今回作成した耳介は実物大サイズで、形が崩れることなくそれ自体で支持できるほどの強度を安定性を持っており、すでにマウスの背中に移植することに成功しました。
ウェイクフォレスト大学での臓器印刷の方法は2つです。
1つは、バイオマテリアルの足ぐみを印刷してから、そこに患者の細胞をコーティングしていくという方法。この方法は、耳や鼻、膀胱などの印刷に用いられています。
そしてもう1つは、バイオマテリアルの足ぐみと一緒に細胞を印刷する方法。肝臓や腎臓など、複雑な機能を持つ臓器の印刷に用いられています。
これまでウェイクフォレスト大学は人工臓器を3D印刷で製造する際に使用する、バイオマテリアルと細胞の最適なディスペンシング・システムを探していました。ウェイクフォレスト大学は、これまでに数々のディスペンシング方法にチャレンジしました。
その際、特に困難だったのが造形解像度の実現でした。
バイオマテリアルや細胞のディスペンシングでは人間の臓器を忠実に再現するため、かなり細かい部分までを高精度で正確に印刷する必要があります。
テクダイヤとバイオマテリアルプリンティング
数々のチャレンジを繰り返した後にウェイクフォレスト大学が出会ったのが、テクダイヤでした。
テクダイヤは、高い切削技術を活かし、先端径10um(ミクロン)のディスペンサーノズル「ARQUE」を提供。
ARQUEとは、テクダイヤ独自の加工技術で、高粘度材料から低粘度材料までの幅広い適用範囲と、高い塗布精度を維持する、理想的なノズルです。
ARQUEにより、解像度の高い微量な塗布が可能になりました。ウェイクフォレスト大学ではさらなる精度の高い人工臓器の生成を実現中です。
テクダイヤのソリューションと共に、実用化に向けた研究が日々進んでいます。