シーケンス制御講座「GOT接続方法」
基礎からはじめるシーケンス制御講座
中級:GOT接続方法
GOTとはGraphic Operation Terminal(グラフィックオペレーションターミナル)の略で、三菱製のタッチパネルのことです。
タッチパネルはどのメーカーでもいいのですが、今回は三菱製のタッチパネルを使い接続方法を見ていきます。
接続するにはまずPLCとGOTのインターフェイスを合わせておく必要があります。基本的にはPLC側のインターフェイスに合わせてGOTを選択します。PLCのインターフェイスは基本的に下記のようになります。
Qシリーズ:RS-232C or Ethernet 丸形コネクタ
Fシリーズ:RS-422 or Ethernet 丸形コネクタ
Aシリーズ:RS-422 D形コネクタ
上記はPLCのCPUに接続する場合で、増設ユニットで他のインターフェイスを追加すれば、そちらからの通信も可能となります。
設定にはGT Designer3を使用します。
QシリーズとRS-232Cで接続
CPUのインターフェイスがRS-232Cの場合、GOTもRS-232Cインターフェイスのものを使います。基本的にPLC側の設定は特に必要ありません。
GOT側の設定を見ていきます。この接続の場合、何も設定をしなくても初期設定で接続できることもありますが、確認します。画面新規作成の時、接続機器の設定をしたと思います。 そのときの設定がすでに反映されています。もし間違えていたり行っていない場合でも、次の画面から設定できます。
画面の左側のシステムタグから「接続機器の設定」→「CH1:MELSEC……」と書いてある部分をダブルクリックして開きます。 これはCH1(チャンネル1)の設定で、横に書いているアルファベットは接続機器の簡単な型式が書いています。
ダブルクリックして開くとCH1の設定内容が表示されます。
ここで接続機器の情報を確認します。画面新規作成時に設定したものが入っていると思いますが、間違っているようでしたらここで変更してください。
三菱電機のPLC(Qシリーズ)にRS-232Cで接続します。という設定です。接続先の機器に合わせてください。
接点完了後に「OK」か「適用」を押すと決定されます。これで「CH1」にPLCに接続する設定が保存されました。
ではこの「CH1」とはどこのことでしょうか? 実はこの「CH1」は接続内容を保存している場所であって、この「CH1」をどこに使うか設定する必要があります。
画面の左側の「I/F接続一覧」をダブルクリックします。
このような画面が出てきます。
「I/F1」~「I/F4」とありますが、これはGOTの外側についている接続コネクタのことです。
「I/F3」のUSBなどは、GOT正面についていることが多いです。 今回はGOTとPLCをRS-232Cで接続しています。つまりGOT背面のRS-232Cと書いてあるDサブコネクタと、PLCのCPUとRS-232Cケーブルで接続していると思います。
「I/F2」というのが現在接続しているポートのことで、この「I/F2」に接続機器設定で設定した「CH1」の設定を割り当てるという意味です。ここの設定が違うとPLCと接続できませんので注意してください。
ちなみに「I/F3」のUSBはホスト(パソコン)となっていますが、これはGT Designer3を使ってGOTとパソコンを接続するためのものです。
つまり画面データはUSBで接続して書き込むという意味です。 設定が完了したらGOTにデータを書き込んでください。
「I/F」はインターフェイスのことで、GOTの種類によって数も違いますので上記の画面とは同じでないと思いますが、行っている内容は同じです。これでPLC側から画面変更などの操作を行い、正常に画面変更できれば通信できています。
FシリーズとRS-422で接続
内容は上記の「RS-232Cで接続」する場合と同じですが、通信方式が違います。
Fシリーズの場合標準で搭載されているのがRS-422のため、GOTのRS-422が使える機種を選定してください。 接続機器の設定とI/F接続一覧の設定を上記の「RS-232Cで接続」と同じように行います。
「I/F1」がRS422でPLCと接続しているポートです。この「I/F1」に先ほど設定した「CH1」を割り当てれば完成です。設定が完了したらGOTにデータを書き込んでください。
Ethernetで接続
Ethernetで接続する場合、RS232CやRS422と違い少し設定が必要です。Ethernetでは複数の機器が簡単に接続できます。接続もLANケーブルでHUBを使えばたくさんの機器を接続できます。
つまりGOTとPLC以外にも機器が接続されることがあります。そのためGOTの設定としては、「このPLCへ接続します。」という感じで、PLCの場所を指定する必要があります。
指定するということはEthernetで接続された機器には名前が必要です。この名前に変わるものがIPアドレスと局番です。GOTは「何番のアドレスのPLCに接続します」という設定になります。
まずは各機器のIPアドレスを設定してください。まずPLCからです。PCパラメータから設定します。
上の赤枠の中を設定します。左から「192」「168」となっていますが、この2つは固定してください。次の「3」という部分がネットワークアドレスとなります。ここは他の機器と同じにします。
つまり「192.168.3」の部分までは接続する機器すべてのアドレスはそろえてください。
※これはIPアドレスクラスCの設定となりますが、このように設定しておけば他の人が見ても分かります。つまり「192.168」は固定で変更しません。その後ろの「3」は変更できますが他の接続機器と合わせてください。(「5」に変更したら他の機器もすべて「5」にするということです。
IPアドレスの話は深くなるのでここではしませんが、左から3番目までを同じ値にして、一番右を他の機器と変更してください。重複するとエラーとなります。
その下にサブネットマスクとデフォルト……という項目がありますが、入力する必要はありません。
今回はPLCのIPアドレスは
192.168.3.12
としました。このように他にEthernetで接続する機器がある場合は、すべてIPアドレスを設定してください。
次に「オープン設定」をクリックして開いてください。
プロトコルの部分に「UDP」という設定がひとつあればOKです。デフォルトで1つ設定してあります。UDPの設定がなくなると通信できなくなるので注意してください。
次はGOT側の設定です。
接続機器の設定よりIPアドレスを設定します。「GOT標準Ethernet設定」から設定できます。
GOTのIPアドレスは
192.168.3.11
としました。
上の画面の詳細設定という部分がGOT自身の設定です。下の方にあるEthernet設定という部分が接続先の設定です。つまりPLCの設定です。
PLCの設定は先ほどPCパラメータで設定したIPアドレスを入力してください。これでGOTは入力されたIPアドレスのPLCに対して通信を行います。
次に局番です。実はIPアドレスだけでは通信できません。今回はGOT側を「3」、PLC側を「4」としています。局番は違うものにしてください。
初期設定では両方とも「1」になっているため通信ができないと思います。IPアドレスと同じで違う値にしてください。NET Noについては同一ネットワークということで同じ値にしてください。今回は「1」にしています。
この局番ですがPLC側では設定できません。これはGOT側で仮想的にPLC側の局番を設定しているらしいです。ただしこのあたりは深く考える必要はありません。IPアドレスと局番を設定すれば大丈夫です。
最後にI/F接続一覧を確認すれば完了です。Ethernetの部分に「CH1」が割り付けてあれば大丈夫です。
GOTとの簡単な接続方法を説明しましたが、実際の接続時にはちょっとした設定ミスで接続できないことがあります。
そのようなときはサポートセンターに連絡すれば設定確認を行ってくれますのでぜひ活用してください。
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