シーケンス制御講座「信号の入力」
基礎からはじめるシーケンス制御講座
最低限の知識:信号の入力
リレーで制御回路を作る前に、センサーからの信号でリレーを動作させて見ましょう。
今回使用するのは光電センサーです。
簡単に説明すると、センサーから光を飛ばしていて、その光をさえぎるとセンサーが反応します。
その信号でリレーを動かすのですが、センサーについてもう少し勉強しておきましょう。
センサーには透過形と反射形があります。
まずは透過形を見てみましょう。
透過形センサーは片方から光が出て、片方のセンサーで光を受け取ります。ではセンサーの間をさえぎってみましょう。
光をさえぎると右側のセンサーが光を受け取れなくなり、センサーが反応します。
つまり通路などにセンサーを仕掛けておけば、人が通るたびに反応します。
このように光を出す方(投光側)と光を受ける方(受光側)の2個に分かれているセンサーを透過形センサーと呼びます。
次に下のようなセンサーを説明します。
反射形センサーは投光側と受光側が一体になったセンサーです。
どのように反応するのかというと……
上の図のようにセンサーの前に物を置くと、センサーから出た光が反射して自分に戻ってきます。
その光を受信してセンサーが反応します。
自分で出した光を利用して、センサーの前に物があるか判断しているのです。
では透過形と反射形センサー、どちらを使えばいいのでしょうか?
私の場合、基本的に透過形を使用します。
どうしても取り付けが難しい場合は反射形を使用します。理由は安定しているからです。
産業機器の業界において、光電センサーの使用用途のほとんどは“製品”(ワーク)の検出です。
反射形は特性上どうしても製品の色や、距離によって安定しない場合があります。
さらにハイパワーなセンサーの場合、通路を歩く人に反応したりします。
そのような理由で、できる限り透過形センサーを使うようにしています。
※これは私の個人的な意見です。
最近の反射形センサーは昔ほど不安定ではないので用途によっては十分使用できますし、変位センサーなどは反射形です。
レーザーセンサーの反射形などは長距離で使用できますので、安全面さえ気をつければ使い勝手は抜群です。
注意点としては、メーカーによって性能が全然違います。
メーカーによっては得意不得意があるので、しっかり相談して購入しましょう。
次にセンサーには「ダークオン」や「ライトオン」という言葉がでてきます。
センサーによっても違いますが「D/O」や「L/O」と表示されています。
スイッチで切り替え可能なタイプもあります。
たとえばダークオンはセンサーの受光側に光が届かなくなったとき(暗いからダーク)センサー出力がONします。
透過形の場合はセンサー間に何か物がある場合、反射形の場合はセンサーの前に物がない場合です。
ライトオンはその逆となります。
つまり反射形と透過形でも逆になるので注意してください。
センサーの基本が分かったところで、次は配線の方法について説明します。
センサーからは下記の図のように色がついた線がでています。
茶色がDCの+側です。
産業機器の業界ではDC24Vをよく使用するため、ここにDC24Vの+を入れます。
次に青色の線がDC24Vに対する-側です。
そのまま接続します。投光側と受光側は同じです。
この茶色と青色の線が電源線なので、一緒にして電源を供給しても問題ありません。
最後に黒色の線が残りました。これは信号線です。
センサーが出力をだすと、この信号線が-に落ちます。
つまり下のように配線をすればセンサーが反応した時リレーが動作します。
リレー側には常に+を入れて起きます。
センサーが複数ある場合はすべてのリレーに+を供給する必要があり、まとめて供給するため「プラスコモン」とよんだりします。
そしてリレーのマイナス側をセンサーの信号線に接続します。これで完了です。
※線の色の補足です。昔の機器は線の色が違う場合があります。下記のように変換してください。
- 赤色→茶色(DC+)
- 黒色→青色(CD-)
- 白色→黒色(信号線)
次にシリンダセンサーの接続も見てみましょう。
シリンダについてはここでは説明しません。SMCなどのページで調べてみてください。
シリンダ内部のピストンに磁石が入っていて、シリンダが前進した場合、内部のピストンも前進します。
するとシリンダにつけられているセンサーが磁石に反応して動作するのです。
これによって現在シリンダが前進しているのか、後退しているのかを判断しているのです。
シリンダセンサーは基本的に2本線を選ぶと接続が楽です。
上の図のようにリレーと電源の間に取り付けるだけです。
スイッチと同じイメージです。これが3本線になると光電センサーのような接続になります。
ここで説明したのは「NPN」というタイプです。日本の機器はNPNが多いらしいです。
もし選択する必要があればNPNを選択しておくのが無難です。PNPとNPNで覚えにくいのですが、ニッポン⇒NPということでNPNと覚えましょう。
それでは基礎知識もついたところで、制御の説明にはいって行こうと思います。
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