サンプリングとは?また、サンプリングの方法について。
品質保証や生産技術において、検査の設計方法を決める際、サンプリングを実施します。今回は、サンプリングとは何か?またその方法について書いていきたいと思います。
サンプリングとは
テクダイヤのようなメーカーでももちろんですが、サンプリングは私たちの身近でもたくさん実施されています。
たとえば、ニュース番組が内閣の支持率調査をしていたり、バラエティ番組でアンケート調査をしていたりします。
ただ気になるのは、あれは全人口のうち、一体誰から聞いた内容の統計をとっているか?ということです。
たとえば電話で調査するとして、日中、電話帳を頼りに電話をかけたら、出るのは誰でしょうか?おそらく今の時代であれば、固定電話をもつ家庭の主婦が出る確率が多いと予想されます。
たとえば街角でインタビューするとしたら、平日の日中は学生や出張中のサラリーマンが中心になるでしょう。
場所が渋谷なら若者、新橋なら社会人が多いと予想されます。
それらを、「日本人1,000人に聞いた」とひとくくりにしてしまっていいのか?と言われると、難しいところです。
上記はわかりやすい例としてアンケートを用いましたが、
製造現場でこういった偏った調査方法をしてしまうと、不良や異常を見逃してしまう可能性があります。
この調査対象をどうやって選ぶか?を、「サンプリング」と呼びます。
サンプリングの仕方
サンプリングでもっとも重要なのは、調査対象の選び方です。
選び方は2種類あります。
①ある規格を超えているかどうか
→悪いものをサンプリングして推定する(有意サンプリング)
②工程全体の平均(母平均)を知りたい
→できるだけ装置、工程、人などで偏りが無いようにとる(ランダムサンプリング)
サンプリングをする際に重要なこと
(1)サンプルをとる手続きがきちんと決められていること
何を?何個?どこから取るのか?頻度は?手順書は?
(2)関係者がサンプリングの目的と重要性を十分認識し、その手続きが守っていること
きちんと手順通りにやっているか?
(3)その製品の生産に関わった人にサンプリングさせることはなるべく避ける
良いサンプルだけを選択的に抜き取っていないか?先入観でサンプリングしていないか?
サンプリング誤差
上記の方法でサンプリングしても、完璧に工程全体を把握するのは難しいです。
どんなデータについても、どこに誤差があるのか?と言ったところを常に考えながらデータを取る必要があります。
(1)データの信頼性
測定器の校正、保管、取扱い、作業者の教育、標準化などは十分か?
(2)偏り
特定のサンプリング方法をとるとき、特定のサンプルが取れやすいといった偏りはないか?
(目立つとりやすいサンプル?特定のとりやすい装置?特定のとりやすいロット?)
テクダイヤでのサンプリング
テクダイヤの開発・製造現場でも、検査や評価のためにサンプリング設計を行っています。
どんな材料をつかって、どのように作ると差があるのか……といった工程の特性を考えながら、なるべく多くのばらつきを評価できるよう心掛けています。