グラフを作れない技術部?!
前々回の当ブログで教育内容は、対象となる人たちや部門の役割を明確にすれば、おのずと決まってくると書きました。
前回のブログでは、理不尽な顧客要求に必死に対応していくが、工場の技術部スタッフの技量に問題があったというところまで書きました。
今回は前回の続きですが、実はその役割を果たすための教育を実施した事例になります。
シート材の厚みを薄くするための対応として行う加工方法の見直しや条件出しを担当していたのは工場の技術部でした。
技術部のスタッフは今までの経験からよいと思われる方法や条件を抽出してテストを繰り返しました。
テストをしては、その結果を総経理に報告して方向性を検討していました。
ところが問題はそのテストデータの検証にありました。テスト結果の検証は、測定値の生データを記載した表を見て話をしていました。
数字の羅列を見ていたのです。これではデータの傾向などわかりません。
技術部スタッフにグラフ化するように言いましたが、どのようなグラフを作ったらよいのか、また、そのグラフの作り方がわからないのが実状でした。
先ずヒストグラムの作り方を教えました。
そして、実際のデータを使って作成させて、どのような傾向にあるかを考えてもらいました。最初は手作業で作成してもらいました。
技術部の役割は最適な加工条件を設定することです。テストはそのための手段であって目的ではありません。
テスト結果をどのように評価するのかが大事になります。グラフ化をできるようにするのも、役割を果たすための教育と言えます。
この工場はトップの人間性が反映されていてとてもよい雰囲気を持っていました。ただ、技術部門が弱いのが課題でした。
この技術部門の強化は必須でした。
顧客にとって大事なのは、工場の雰囲気よりも要求に応えられるベンダーかどうかということですから。