グラフを作れない技術部?!

グラフを作れない技術部?!

前々回の当ブログで教育内容は、対象となる人たちや部門の役割を明確にすれば、おのずと決まってくると書きました。

前回のブログでは、理不尽な顧客要求に必死に対応していくが、工場の技術部スタッフの技量に問題があったというところまで書きました。

今回は前回の続きですが、実はその役割を果たすための教育を実施した事例になります。

 

シート材の厚みを薄くするための対応として行う加工方法の見直しや条件出しを担当していたのは工場の技術部でした。

技術部のスタッフは今までの経験からよいと思われる方法や条件を抽出してテストを繰り返しました。

テストをしては、その結果を総経理に報告して方向性を検討していました。

ところが問題はそのテストデータの検証にありました。テスト結果の検証は、測定値の生データを記載した表を見て話をしていました。

数字の羅列を見ていたのです。これではデータの傾向などわかりません。

技術部スタッフにグラフ化するように言いましたが、どのようなグラフを作ったらよいのか、また、そのグラフの作り方がわからないのが実状でした。

先ずヒストグラムの作り方を教えました。

そして、実際のデータを使って作成させて、どのような傾向にあるかを考えてもらいました。最初は手作業で作成してもらいました。

 

技術部の役割は最適な加工条件を設定することです。テストはそのための手段であって目的ではありません。

テスト結果をどのように評価するのかが大事になります。グラフ化をできるようにするのも、役割を果たすための教育と言えます。

この工場はトップの人間性が反映されていてとてもよい雰囲気を持っていました。ただ、技術部門が弱いのが課題でした。

この技術部門の強化は必須でした。

顧客にとって大事なのは、工場の雰囲気よりも要求に応えられるベンダーかどうかということですから。

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/